地震という天災に見舞われた2024年の年明けに、心を痛めた方も多かったことでしょう。
この地震による、火災はショッキングな出来事でした。
約5万平方メートルが焼失し、200棟以上が焼ける被害でした。
改めて何か備えたい、と考えていたところ、新しいタイプの消火剤があることを知りました。
米子市に本社を置く 株式会社イルカカレッジ が開発製造しています。
ゲル状の消火剤「火滅隊」
多くの公共施設や店舗で見かける赤い消火器。あなたの家にもあるかもしれません。
自宅の場合、家事が起きそうと思うのは、火元のあるキッチンでしょうか。
粉末の消火器は、油に吹き付けるのは不可と書いてあります。
かえって油が飛び散り危険だそうです。
知らなかった。
防災訓練などで消火器を手にした方は、重くて大変という印象を持つ方もいるようです。
こちらがゲル状の消火剤を使った「火滅隊」。
水を入れると素早く粘性の高いゼリーのような消火液が出る、ゲル状消火剤です。
乾燥した状態で長期保存可能。水を入れても軽いです。
軽くて、扱いも手軽。
子どもや高齢の方でも簡単に、びゅっと、1メートルから2メートル先にゲル状消火剤を飛ばすことができます。
油に直接かけてもOK。
保水力と付着力が高いため、燃え広がりを抑える効果が水だけより高いです。
またゲルが保水しているので、再燃を抑え込む効果があるとのこと。
これは我が家にも一つ置きたいです。
被っても安全な消火剤
開発のきっかけは「環境を守りたい」という、イルカカレッジの代表取締役である朝山規子さんの思いからでした。
元々、環境に配慮した電気自動車の事業をされていた朝山さん。
森林火災でCO2が莫大に排出されることと、動物たちがやけどしたり住処を追われることに心を痛めていました。
森林火災の消火方法の多くは、ヘリコプターで水を散布します。
実はこれ、上空で水が霧状になり、なかなか燃焼部分に当たりません。
インドネシアなどでは、雨期に大雨が降って、数カ月燃え続けた火災がようやく消えるという状況です。
そこで、開発したゲル状消火剤。
消防庁の委託を受け、鳥取大学と共同開発。
2015年には、ゲル化(ゼリー状に凝固)した水を詰めたパックを航空機から投下する実験を行い、火を消し止めることに成功。
この時、担当の鳥取大学院工学研究科の松原雄平教授は「森林火災だけでなく、南海トラフ地震など国内の大規模災害でも効果を発揮する」とコメントしています。(2015年2月12日日本海新聞より引用)
その後、森林火災が深刻なインドネシアで実験的に使用されたり、国内の野焼き行事に延焼予防として活用されています。
消火剤は植物由来の成分と食用の増粘剤を主原料としており、動物や植物に無害。
約2週間で分解され、土にかえるよう作られています。
「火滅隊」は、森林火災用に開発されたこのゲル状消火剤を、家庭で簡単に使えるようにしたものです。
私たち、人も、火災時にはこれを身体に振りかけて、逃げる事もできるのです。
家の中に使ったとしても、水拭きできます。
ゲル状の消火剤が鳥取から世界へ広がり、家の火災対策から、災害時の火災、森林火災という地球規模のものまで、早期に消火できるといいなあと思いました。
イルカから託された、地球を守る使命
創業時、朝山さんがハワイに行った時の事でした。
25m泳ぐのがやっとという朝山さんは、イルカに会いたい一心で、気が付くと300mも泳げてしまっていました。
そして、イルカが寄ってきました。
「“…楽しいことだけ考えて行動すれば、人の能力は無限大だよ!“とイルカに言われたんです」と朝山さん。
イルカと一緒に泳ぎながら「人と地球が喜ぶ事をしたらいいんだよ」と言われたように感じたそうです。
そこで、社名は「イルカカレッジ」と名付けられました。
伺った日も、会社にはイルカモチーフがいっぱい!
ティースプーンもイルカでした。
朝山さんは、イルカがずっと泳げる海を残すために、環境に良いと思った取り組みを探求し続けています。
電話 | 0859-30-2188 |
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住所 | 米子市内町46番地 本店/製造・開発拠点 米子市河崎1598 |
営業時間 | 9:00 〜18:00 |
定休日 | 日曜日(月によって、土曜日も休業) |
駐車場 | あり |
Webサイト | www.iluka.co.jp |