刀工・一雲斉秀春(八橋出身) 実像を資料基に紹介 鳥取民俗懇話会・大田さん

 琴浦町八橋出身の刀工、一雲斉秀春(いちうんさいひではる)(1821~89年)について伝える講演会が、同町のまなびタウンとうはくで開かれた。20年近く調査を続けている鳥取民俗懇話会の大田勝也さんが収集した資料を基に秀春の実像を語り、詰めかけた刀剣愛好者ら約50人が熱心に聞き入った。

 大田さんは秀春に関し、「藩召し抱えの職人だったが、田舎に住んでいたため藩政資料などの記録が少なく虚像が膨らんでいった」と解説。秀春が日清戦争後に開かれた万国博覧会に刀を出品し、宮内庁に買い上げられたとする新聞記事には「既に秀春は亡くなっていた上、宮内庁に調査してもらってもそのような事実はなかった」などと述べ、これまで描かれてきた誤った人物像を正した。

 秀春が江戸の一流刀鍛冶の下で修業していた記録があるとする一方、「手がかりが全くなく、師匠との結び付きや修業時期が特定できていない」と吐露。これまでの調査を振り返り、「いまだ未解明な課題が残っているが、今後の秀春研究の一助となれば」と締めくくった。

 ◇関連イベント「刀工を知るワークショップ」が、まなびタウンとうはく(17日午後1時~)と三朝町役場(24日午前8時半~)で行われる。参加費はいずれも500円。定員は各20人(事前予約が必要)。問い合わせは電話0858(22)8152、実行委事務局。

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