タレントふかわりょうが、初の書き下ろし小説「いいひと、辞めました」(新潮社、1760円)を出版した。「優しくていい人」「いい人だけどちょっと…」。さまざまなニュアンスで使われる言葉への興味が創作のきっかけという。作品に込めた思いを聞いた。
※ふかわさんのインタビュー動画があります。詳細は記事末尾をご覧ください。
【目次】
(1)「いい人」が足を引っ張る
(2)「B面」あるから「A面」
(3)サイテー男育成トーク
(4)“多様化”ってそう?
(5)その言葉が道しるべ
【ふかわりょう】
神奈川県出身。1994年、お笑い芸人としてデビュー。テレビ・ラジオ出演、DJ、文筆など幅広い分野で活動。エッセー集に「ひとりで生きると決めたんだ」など。
(1)「いい人」が足を引っ張る
▼記者 思わず「タイトル買い」したくなる作品ですね。着想について教えてください?
★ふかわ 「いい人」という言葉自体がすごく面白い。文脈や使い方によって、良い印象の「いい人」もあれば、無難な「いい人」もある。印象がさまざまで、ずっと引っかかっていました。僕も「いい人ですね」「いい人なのに」と言われたことがある。今、社会でいろん...