【香山リカ てのひら診察室】慣れずに理性を働かせ、ガザ情勢を考え続けることが必要だ

  •  香山リカ

 イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの軍事攻撃で死亡した人は、この半年間で3万3千人以上にのぼる。

 このイスラエルの行為が「集団虐殺(ジェノサイド)」にあたるかどうかについては、まだ国際司法の答えが出ていない。「イスラエルの攻撃はジェノサイドにあたるので軍事作戦を停止すべき」として南アフリカが国際司法裁判所に提訴し、現在、審理が進んでいるが、現時点では「ジェノサイド防止のあらゆる対策を講じるべき」という暫定命令が出されるにとどまっている。

 日本国内でも「一刻も早い停戦を」と要求する集会やデモが全国で行われているが、定時のニュースなどでこの問題を扱う時間は次第に少なくなりつつある。人間には、「馴化(じゅんか)」という心身のメカニズムが備わっている。これは、ある刺激が長時間繰り返し与えられることにより、その刺激に対して鈍感になり、反応が徐々に見られなくなっていく現象を指す。人間だけではなく、多くの生きものに備わっているメカニズムだ。

 どんな環境にも適応して生き延びていくために、この「馴化」は欠かせない。いつまでも刺激に対して敏感に反応したり、緊張し続けたりしていては、身も心も持たないだ...

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