山陰の風景など繊細な色使いで 鳥取で岸本章日本画展

 日展日本画会友の岸本章さん(72)=鳥取市=の日本画展が、同市今町2丁目の丸由百貨店4階アートギャラリーで開かれている。山陰地方の風景や魚など25点が展示され、来場者を魅了している。14日まで。

 岸本さんは、菅楯彦大賞や日展特選など数々の受賞歴がある。絵画教室を開くなど鳥取県内の美術振興にも貢献している。

 同ギャラリーでの個展は2年ぶり。県立美術館の展示品となったことを機に描いた「ブリロの箱」は、箱の前に座る純粋な少女の瞳に、美術館の未来を問われているかのよう。イカ墨顔料で描かれたセピア色のロゴも味わい深い。「大正時代の塗料店」は当時の写真を基に、石州瓦が光に照らされて輝く様子を彩り豊かに表現した。

 「仁風閣」や「大山遠望」など、写実を基本に時代背景や“空気感”を加えた繊細な色使いが見る人を引き込む。

 岸本さんは「何げない風景も観察すると気づきや発見がある。絵から感じ取ってもらえたら」と話した。

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