鳥取県の特産品として知られるラッキョウの2024年産分の出荷が20日、県内の産地で始まった。鳥取市福部町と北栄町で出発式があり、関係者らが販売目標達成の願いを込めて全国の市場に向かうトラックの出発を見送った。
「鳥取砂丘らっきょう」初出荷祝う
地理的表示保護制度(GI)に登録されている「鳥取砂丘らっきょう」の出発式は、鳥取市福部町海士のJA鳥取いなば福部支店らっきょう集出荷所で開かれた。同JAの清水雄作組合長が「自慢できるラッキョウが育った」とあいさつ。関係者がくす玉を割り、福部未来学園の園児が演奏で初出荷を祝った。
昨年は他産地の出荷が遅れて単価が下がったことを受け、今年は産地間の情報共有を徹底。9億3千万円(前年実績8億900万円)の販売を目指す。
福部らっきょう生産組合長会の宮本和裕会長は「台風で畑が砂に埋まるなど苦労したが、3月下旬以降の気温上昇や降雨で生育が回復した。日本一の砂丘らっきょうを賞味してほしい」と話した。
北栄でも出荷、順調な生育
北栄町田井のらっきょう共同乾燥調製施設であった初出荷出発式には、JA鳥取中央(上本武組合長)の関係者や生産者らが出席し、30トンを関東や京阪神の市場に出荷した。
今年は北栄、湯梨浜両町の農家140戸が51.8ヘクタールで作付け。夏季に高温と台風の影響で芽生えが10日程遅れたものの、冬季以降は気温や天候に恵まれ、順調な生育となった。
出発式で、上本組合長が「生産者、JA、行政が一体となって販売促進に取り組みたい」とあいさつ。同JAらっきょう生産部会の竹本貴光部会長は「白くてシャキシャキしたラッキョウを多くのお客さまに食べてもらいたい」とアピールした。出荷作業は6月上旬ごろまで続き、販売高5億3千万円を目指す。