金井啓子の伴走で伴奏

明暗を分けた維新と自民

2021年11月16日

立場が逆転するかは方針次第

 衆議院選挙から半月たった。世間は選挙のことなど忘れ、第二次岸田内閣の発足や、18歳以下を対象にした10万円の給付金などに関心が移っているようだ。しかし、大阪はまだ衆院選の余波が残っている。大阪の小選挙区に立候補した日本維新の会の候補者は全勝し、自民党の候補者は全敗。この出来事への戸惑いは続いている。

 議席数を大きく伸ばした国政の維新は野党第2党へと躍り出て、その存在感がこれまで以上に増している。国民民主党との連携も模索されており、さらに党勢は増していくかもしれない。岸田内閣も国政維新の主張は無視できなくなるだろう。

 ただ、過去の国政維新は合流と分裂の歴史を2度も繰り返しており、3度目が起こる可能性はゼロではない。原因は、いずれも党内の対立だった。維新の大阪派議員と合流相手との相性が悪く、ケンカ別れするパターンを繰り返してきた。維新も議席数が伸びたときほど要注意。拡大か、それとも縮小へ向かうのか、今はその分岐点に立たされていると考えたほうが同党にとって無難だろう。

 一方、大阪の自民党である。こちらは今やかつての栄光は消えうせ、悪くすれば社会党のような運命をたどらないとも限らない。つまり、消えてなくなるということである。

 目下の課題は自民党大阪府連の会長選出だろう。現状、衆参合わせて5人の国会議員しかおらず、従来の規定ならその5人から選ぶしかない。もっとも、府連の会長は衆院議員から選ぶのが暗黙のルールだとか。ならば3人の衆院議員から選ぶしかないが、その顔ぶれを見ても、まだまだ新人ばかりである。会長として大阪の自民党議員を引っぱるには荷が重い気がする。

 大阪の自民党が一から出直すつもりなら、府連会長の選任方法も変えてみればどうか。旧来の考え方を捨て、新しい風を送り込んではどうか。大阪府議会議員でも大阪市会議員でも、あるいは府内市町村の議員でもいいではないか。府議や市議といっても、国会議員以上の見識と議会経験を持つベテランは少なくない。それらの地方議員が会長となり、国政の目線ではなく地方の目線からときに自民党本部や政権に物を申し、ときに大阪の政治をリードするのだ。

 国政維新と自民党大阪。両者の明暗は分かれたが、それは永遠に続くものではない。今後の路線次第で、その立場はいつでも逆転するだろう。(近畿大学総合社会学部教授)



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