にちにち動物百科

 動物園はワンダーランド。ライオン、キリン、チンパンジー…。大阪市天王寺区にある天王寺動物園は、都会の真ん中でありながら、非日常の世界が広がります。のんびりさんだったり、怒りんぼうだったり。私たちがそうであるように、動物たちも見ているだけでは分からない愛くるしい一面があります。飼育員だから知っている動物たちの性格や食事、クスリと笑えるエピソードも交えて紹介します。

☆19 アナホリフクロウ

2019年10月10日

待望のひな、すくすく

生まれたばかりの頃はふわふわの綿毛に包まれていました(ニフレル提供)
成長するとおなかのあたりに模様が出てきます(ニフレル提供)
たたずむ時は片足を上げるのが特徴です

 暗闇に紛れて獲物を狙うイメージがあるフクロウだけど、アナホリフクロウは長い足で地面を走るのも得意です。吹田市のエキスポシティ内にある生き物ミュージアム「ニフレル」で暮らすアナホリフクロウに8月、同施設が2015年に開館してから初のひな鳥が誕生。すくすくと成長しています。

 アナホリフクロウは「うごきにふれる」ゾーンで、カピバラやワオキツネザルなど、ほかの動物たちと一緒に過ごしています。

■2カ月の見合い

 父親「キヌ」、母親「カカオ」に3きょうだいが誕生しました。キヌは開館当時から暮らしていて、カカオは2年前にベルギーから引っ越してきました。

 今年2月ごろから見合いが始まりました。相性を確かめるため、初めはゲージにカカオを入れ、柵越しに顔を合わせていました。相性が合わなければけんかになるため、2カ月ほど時間をかけました。

 5月ごろ、繁殖に向けた準備のためか、キヌが巣穴を掘り始めました。自分専用の巣穴はありましたが、この時掘った巣穴は、カカオとの“愛の巣”になりました。

 7月下旬、ファイバースコープで巣の中に卵を見つけ、8月5日にひなが確認されました。

■てけてけ歩く

 3羽の子どもはまだ性別は分かりません。生まれたばかりの時は、白っぽい羽に覆われていましたが、今は両親と同じような大きさに成長しています。おなかの回りの羽に模様が入っていないのが子どもだそうで、施設内でも担当キュレーターでないと違いが分からないほどです。

 アナホリフクロウは日中に活動する「昼行性(ちゅうこうせい)」のため、昼間に飛んだり歩いたりする様子を観察できます。なかなかお目にかかることはできませんが、羽を閉じたまま「てけてけ」と歩く姿がとてもかわいらしいと、担当キュレーターのいち押しです。

 エリア内では、壁や柱の上にいることが多いようです。体格が小さいアナホリフクロウは警戒心が強いため、危険がないか周辺を見渡すために、高い所にいると考えられています。足元を歩く動物に注意しながら、上を見上げてみるのも楽しいですよ。

【アナホリフクロウ】 フクロウ目フクロウ科。南北アメリカ大陸の樹木が少なく、背の低い草の生えた土地に生息。巣や避難場所として、地面に足で穴を掘るか、ほかの動物が作った穴を利用する。フクロウでは珍しい昼行性。


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