澪標 ―みおつくし―

みまきんぐ成り立ち

みまきんぐ
研究美術家
2020年11月16日

 私は「みまきんぐ」と名乗るアートする者。美大在学中にみまきんぐという名前を思いついた。油絵を学んだが、廃材同士を組み合わせた扉を作って歩行者天国やら古墳やらへ持って行ってその時間と場をビデオや写真に収めて作品としてきた。もうその頃から20年はたつので、その後、一番長く続けてきたのは、背中をマッサージして手のひらで感じたクライアントのイメージをその場で描き出す「ミマキング診療所」というイベントである。

 顔を見て似顔絵を描くように、背中を触診して絵描きのカルテをその場で描き出す、背中の似顔絵のようなもの。それと同時に、私が主宰している「ART class +α」という造形教室が続いている。今ではこちらが私の日常になっている。ミマキング診療所歴19年、アートクラス歴17年、そして既婚歴13年、母歴11年。3児の母歴5年、と続く。

 大学は美大に行かせてもらい、そこで出会った中国武術の練習に明け暮れた。その準備運動に先生が必ず行う「操体法」というのがあって、その考え方が今でも根底を流れている。ストレッチと言えば今までずっと言われ続けてきたのは、伸びにくい方を時間をかけて伸ばす事だった。勉強も体育も音楽も全て苦手を克服するという考え方で成り立っていて、楽にできる事に力を入れる事はどちらかと言えば、良くない事とされてきた。

 ところが、美大のための受験勉強からそれは違ってきて「自分が一番好きなモノは?」「自分がデッサンするにあたってどの部分に一番心が動いたか?」「自分が一番好きな色は?」を常に問われ、それが人に伝わる絵を描けと言われる。操体法のストレッチもそうだった。「自分が一番楽な方は右と左やってみた中でどっち? 楽な方を数多くやってみて」。そうしてから、もう一度やりづらかった方を試して、まだ違和感があれば楽な方をもう少しやる。両方が整うまで楽な方を動かすのである。「何でもそう、得意だったり、楽にできること、好きな事をたくさんやる。そしたら苦手だったり嫌だと思ってたことが、いつの間にかスムーズにできる様になる」。その言葉通りに大学以降やってきて、今のみまきんぐがある。

 主宰するアートクラスは、私のライフスタイルに合わせて、対象者が自然と移り変わってきている。独身時代は、仕事帰りの単身者向けだった。新婚時代、住んでいる都心のマンションの一室をアトリエにしていて、その頃から少しずつ子ども向けになってきた。わが子が生まれたら、わが子を見守りながらアートクラスをするようになる。

 そんな中、「いい家塾」のお世話になり6年前に私の実家横に我が家を建てることができた。そのおかげで、以前から私が思い描いていた形のアートクラスなってきた。何事も基本が大事と言われているが、子育ても創造性も基本は遊ぶ事。楽しいと感じるから遊びは繰り返す。そんなアートクラスの日常を、次回紹介したいと思う。

(大阪府茨木市)
 【プロフィル】女子美術大(洋画科)卒業、大阪芸術大大学院修士課程修了。「ART class +α」造形と遊びの教室主宰。詩人・水木ようこと「アートユニットみずみたまん」結成し、体験型イベントを大阪、神戸で多数開催。「ミマキング診療所」を開始し背中診断、被験者募集中。3児の母。


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