澪標 ―みおつくし―

継続こそ力

金岡 重雄
株式会社カナオカ機材取締役会長
2020年12月15日

 「創業は難きに似て易く、守勢は易きに似て難し(事業を始めることは難しいようで簡単だが、事業を続けるほうが実は難しい)」(吉田松陰『曹参論』から)−。「企業三十年説」が唱えられて久しい中、当社は、おかげさまで今年4月1日に創業40周年を迎えることができた。

 「一期一会・感謝・祈り合いの経営」の社是のもと、必ずしも順風満帆の時ばかりとはいえないまでも、荒波の中を難破することなく無事に航海を続けてこられたのは、家族をはじめ、社員、得意先、協力会社、仕入れ先、ご縁をいただいた方々などの強力なご支援・ご協力があったからこそと、深く感謝している。

 商売の基本は「縁を大切にする」ことだと信じている。「現代は情報の時代である。情報は人と人とのネットワークによって結びついている。役に立つ情報は、信頼できる人と人とのネットワークによってもたらされる」との信念に基づき、積極的に“縁づくり”に励んできた。こうした考え方から、平成4年に始めた異業種交流会「CS研究会」(2カ月に1回開催)は、来年1月例会で173回になる。

 また、他の異業種交流会や催しものにはほとんど毎日のように参加しており、“異業種交流会のカナオカ”との異名を頂戴している。結果的には「縁尋機妙、多逢聖因」を地で行っていることになる。このように縁を大切にするためには、裏切らないこと、続けることが大切だと思っている。そのため私は、一度始めたことは、トコトン続け抜く。

 昭和55年に当社を創業するまでの25年間のサラリーマン生活の中で、休んだのはわずか3日だけ。創業以来、業界に先駆けて実施した「24時間営業」を継続。毎朝座禅を組んで50年。禅堂の長岡禅塾への参禅は40年。近所を流れる第二寝屋川遊歩道の、午前5時からの早朝掃除は続けること40年。毎月1日の先祖への早朝墓参は30年。早朝の日課である般若心経の写経は、11月30日で9400回…。われながら、よく続いているものだと感心する。

 中でも、早朝掃除は「心磨き」と思い、日曜祭日などには、真夏でも真冬でも、午前5時から昼頃まで6〜7時間、脇目も振らずにやっている。あまりにも長い間帰宅しないものだから、家内が「どこかで倒れているのではないか」と、やきもきしていたそうだ。もっとも今では、慣れっこになってしまって、心配もしていないようだが…。これも健康だからこそ続けることができるのであって、健康な体を与えてくれた両親に感謝している。

 このように続けているうちに、予想だにしなかったことが身の回りに起こってくるから不思議だ。「箸よく盥水(かんすい)を回す(箸1本で盥(たらい)の中の水を根気よく熱心に回し続けていると、やがて水全体が大きな渦となって回るようになる)」と言う。今や、私の周りには、鳴戸の渦潮に負けないほどの巨大な渦が、たくさん回っている。ともすれば、その渦に飲み込まれてしまいそうになる。まさしく「継続は力」、いや「継続こそ力」だと信じてやまない。

 中国のことわざに「十年、偉大なり。二十年、畏るべし。三十年、歴史になる。五十年、神の如し」というのがある。創業41周年を迎える本年度に際し、代表取締役を辞し、社長に経営をバトンタッチしたが、83歳とはいえ、まだまだ気力・体力とも衰えるところを知らない。かねて「120歳まで生きる」と言明している。それに向かって、また“神の領域”目指して「さあ、今日も一日がんばろう!」

 (大阪府東大阪市、かなおか・しげお)



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