きらめきびと

若者の自立支援・居場所づくりに情熱

ひと房の葡萄、淡路プラッツスタッフ 槙 邦彦さん
2020年9月13日

 ニートや引きこもりの若者が増え、社会問題化している中、青少年の自立支援や居場所づくりに情熱を燃やし続けている。一般社団法人オフィスひと房の葡萄(ぶどう)(兵庫県尼崎市)の運営スタッフとして奮闘する一方、「淡路プラッツ」(東淀川区)の就労支援担当として、トライアルジョブ(就労実習型)受け入れ事業所の開拓などに汗を流している。

 大阪教育大を卒業後、教師を目指していたものの、「好きな音楽で多くの若者たちにメッセージを伝えたい」と上京。家庭教師や古本屋のアルバイトをしながら4〜5年ほど音楽活動を続けたが、メジャーデビューの夢を果たせず帰阪した。

 最出発の場所として、児童劇団を選択。しかし、芝居の音楽の作曲などを希望したが、学校回りなどの営業職に配属され、「精神的にも身体的にも疲れてしまいました」。そんな時に出合った神社の狛(こま)犬に妙に引き付けられた。

 「お金もないし、あんパンと牛乳を買って、よく神社の境内で食べていたんです。そしたらある時、狛犬を見ながら『狛犬みたいな人が理想だ』と思ったんです。何をしているか分からない。役にたつかどうか分からないけれど、そこにおるだけでいいんだと」

 誰に対しても、存在自体を認め合う姿勢は、その後の社会的な活動へとつながり、2012年にはニート状態の若者の就労支援になれば、と大阪・日本橋でイカ焼き店を開業。自身は賃金なしで、若者の先頭に立って働いた。

 17年には「ひと房の葡萄」の創設に携わり、代表の赤井郁夫さんを支えながら子どもの社会的居場所事業、学習支援事業、哲学的対話事業などに取り組んでいる。

 近年は「淡路プラッツ」のスタッフとしても活動しており、厳しい環境の子どもたちや青少年に寄り添うように、二人三脚でそれぞれの目標に向けて挑戦し続けている。「みんなが支え合うように、一歩ずつ前進していければ、と思っています」と笑顔を浮かべる。兵庫県尼崎市、51歳。



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