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「大阪商工会議所の尾崎裕会頭にご推薦していただき、なにわの名工を昨年11月、受賞させていただきました」。一流職人らしい実直さで控えめに喜びを表す。
40年以上にもわたって、つくだ煮製造工として大和煮の製造に従事。卓越した技能で創業以来続く独自の製法を一子相伝で受け継ぎ、伝統ある味を創出している。
「うま味調味料は一切使っていません。天然醸造醤油(しょうゆ)、純米酒、きび砂糖などで作り上げた」という“浪花の大和煮”は口当たりが良く、こくのある「まったり」とした上質な味わい。一流職人や食通にも好評で、関西だけにとどまらずファンは全国区だ。
大和煮の調理法は「大和屋の口伝によると、1871年、大阪・江戸堀で創業した大和屋清七が、イワシや小魚などの甘露煮を製造し、その屋号にちなんで命名した」という。
大和煮の名称は文豪、志賀直哉の小説「暗夜行路」にも記されているように、大正・昭和初期に広く社会に認知されるようになった。当初は鶏肉、牛肉がメインだったが現在ではアサリ、赤貝、トロまぐろ、シイタケ、ちりめん、牡蠣(かき)、ホタテなど約20種類に素材は広がっている。有名百貨店でも販売され、贈答品として需要は高い。
昨年6月からは、ふんわり炊き上げた「あげ」で大和煮を包んだ「浪花いなり」を、大和屋別館で数量限定で販売、テークアウトの弁当として即完売の人気ぶりだ。
本業に加え食の安全や学校教育現場での食育活動にも尽力し、大阪独自の食文化の発信にも大きく貢献。今年1月末には、なにわの名工に続いて一般財団法人食品産業センター会長賞(マイスター部門)も受賞した。
元々、歴史にも造詣が深く「創業した大和屋清七の名前が古文書などで散見されるので、今後はご先祖さまのことを調べたいですね」と話す。74歳。大阪市西区江戸堀3丁目6の17。
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