来阪catch

身近な幸せとは何か

映画「高津川」 
主演 甲本雅裕 
監督 錦織良成
2020年3月28日

ジイと孫に見てほしい

「人それぞれいろんな見方ができると思う」と話す甲本雅裕(左)と錦織良成監督=大阪市北区の島根県大阪事務所
甲本雅裕(左)と戸田菜穂(C)2019「高津川」製作委員会

 「白い船」(2002年)など島根県を舞台にしたオリジナル作品が多い同県出身の錦織良成監督(57)の最新作「高津川」(ギグリーボックス配給)が近日公開される。映画初主演で臨んだ甲本雅裕(54)が「身近な幸せについて考えながら演じた」といえば、錦織監督は「ジイと孫が一緒に見てくれれば…」とPRしている。

 島根県を舞台にした映画はこれが7本目になる。時代劇「たたら侍」(17年)はモントリオール世界映画祭で最優秀芸術賞を受賞して評価を高めた。「島根で映画を撮っているが、いつも目指しているのは全国、そして世界に通用するもの。今回はダムが1カ所もない一級河川で日本一の清流といわれる高津川周辺に住む普通の人々を撮った。長年一緒に仕事をしている甲本さんを主役にあて書きをして作品を構成した」と錦織監督。

 「監督とは数本映画の仕事を一緒にしてきて、毎回撮影に入る前、その作品ではなく、次は『○○』というのをやりたいという話になり、今から撮影に入る作品のことを忘れてしまう(笑)。『高津川』の話は8年くらい前に聞いていて、今回台本をもらって読んだら、『えっ、これ主役じゃないの』と気付いた。監督もマネジャーも何も言わなかったので驚いたが、それを知らずに台本を読ませてもらったので新鮮だった」と甲本は振り返る。

 高津川流域で牧場を経営している斉藤学が甲本の役どころで「妻を亡くし、母(奈良岡朋子)と、娘と息子の4人で暮らしている。地元の小学校が閉校になることで、同窓生たちが集まって最後の運動会をやろうという話になるが、若者の流出や地元神楽の存続など学の周辺に難問が少なくない。主役だけど、前に出ないで引き算で演じようと思った。そうすることで身近な幸せがよく見えるし、映画の流れが伝わるような気がした」。

 甲本は岡山県出身。戸田菜穂、田口浩正、大野いと、高橋長英、緒形幹太、春木みさよ、友利恵、石川雷蔵らが共演する。「主役は美しい渓流と自然なのかもしれない。その風景が観客に残るとうれしい」と甲本。「甲本さんの芝居に助けられた。何も起こらないけど、着地点は最初から排除した。高津川の人々は多くの他の人たちと同じで生きるのはいばらの道」と錦織監督。昨年日本遺産に登録された石見神楽も見どころになっている。



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