大阪発 羅針盤

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中之島4丁目に再生医療の国際拠点構想

2016年12月5日

地固めの協議加速 国の後押し引き出せるか

関西経済同友会が提案している中之島4丁目ゾーニング案

 大阪市中心部に位置する北区中之島4丁目の市有地を再生医療の国際拠点にする協議が加速しつつある。府市と経済団体でつくる協議会は2日に日本再生医療学会を迎えて第2回会合を開いた。中之島地区を発祥地とする大阪大も参画し、産学官一体となって来年3月に基本方針をまとめる意向だ。国際拠点化に向けた国の後押しは欠かせず、大阪・関西が持つ医療産業のポテンシャルに期待する関係者は「地固め」に余念がない。

■産業振興

 「大阪大医学部のレガシーがある中之島に期待している」。関西経済同友会担当委員長代行の井垣貴子氏は、中之島4丁目を国家戦略特区の特例を受けて産業振興に活用する提言書を2日の会合で示し、こう語った。

 大阪大の医学部、歯学部、理学部があった中之島4丁目で2004年に開設された大阪大中之島センターの隣が、協議対象エリアの市有地(約1万2300平方メートル)だ。隣接する民間敷地(約5480平方メートル)所有者の協力も得ながら三つにゾーニングし、一体的に再開発することが同友会の案だ。

 それによると、ゾーン1は市の新美術館整備を踏まえた大阪大の「知のアゴラ(広場)」を想定し、同2に「再生医療センター」を設置する。同3は患者や家族を優遇するホテルなどを備える内容だ。再開発の協議を巡っては大阪大が8月に府市へ提案した経緯があり、井垣氏は「財界人として机上の空論ではなく(再開発を)進めようと思っている」と呼び掛けた。

■汗をかく

 日本再生医療学会理事長の沢芳樹氏らも2日の会合で、再生医療の実用化を念頭に拠点形成の必要性を強調した。その「有力な候補地」として中之島地区を捉えている。海外とのアクセスをはじめ、臨床経験豊富な病院、大学と関連企業が近くにある点も考慮した見解だが、関西経済連合会専務の松村孝夫氏は「国の関与が不可欠だ。(拠点の)継続的な運用のためには国から見て魅力的な案を勉強することが必要」と指摘した。

 国の関与を巡っては、吹田・摂津両市境界で整備中の「北大阪健康医療都市(健都)」エリアに国立循環器病研究センターが2018年をめどに開設されるが、中之島4丁目エリアについて、協議会座長を務める市都市計画局長の川田均氏は「産学官で汗をかくプランを作って国に提案していく」としている。

 「人類の健康・長寿への挑戦」をテーマに大阪府が25年の誘致を目指す国際博覧会(万博)のように、中之島4丁目を舞台にした構想が国の関心を引き付けるかどうか。大阪・関西の産業振興に向けた新たな焦点だろう。