英語に親しむ

第6部「かける」(中)「英語×落語」

2016年9月6日

表現すること磨ける

英語で小ばなしを披露する生徒(中央)と、サポートするかい枝さん(右端)、デュークさん=4日午後、神戸市中央区の神戸山手女子中学・高校

 「Where is my hat?」(私の帽子どこ?)

 「It,s on your head」(自分でかぶってるやないか!)

 ぷっと笑える英語の「小ばなし」を披露しているのは、プロの落語家ではなく、ごく普通の女子中学生たち。初めての高座とあって、緊張した表情を浮かべている。神戸山手女子中学・高校(神戸市中央区)で4日に開かれた「英語落語」のワークショップの一場面だ。

■生徒の背中押す

 同校は今年5月、英語落語の第一人者として、世界各国で公演を成功させている落語家の桂かい枝さん(47)をグローカル化特任講師に選んだ。この日のワークショップは一般参加も受け付け、同校の中学生10人を含めた約30人が参加した。

 かい枝さんは、5月の就任以降、高校1年生を指導するなどし、この日も「大きな声でいこう!」と恥ずかしそうにする生徒たちの背中を押した。

 まず付き添いのデュークカナダさんが、小ばなしの手本を披露。参加者は、デュークさんに続けてプリントに書かれた会話文を読み上げ、次に2人一組での練習、1人での練習、顔の向きを登場人物に合わせて左右に分ける…と落語のスタイルに近づけていった。

■苦手乗り越えて

 英語落語を学習に導入した理由について、平井敬員校長は「生徒たちは自分の考えを発表したり、表現することが苦手。それを乗り越えてほしい」と狙いを説明する。

 日本人は英語がなかなか話せないと指摘される。かい枝さんは要因の一つに「使う環境がない」ことを挙げる。その上で、英語落語を「語学学習の優良なコンテンツ」だとして、「日常会話で構成される物語であり、そのまま英語に置き換えやすい。1人でも練習できる」と特長を説明する。

■伝統感じる

 この日のワークショップでも、生徒らは短時間の“稽古”で、特設の高座に上がった。かい枝さんは「落語を通して英語を学ぶことが、人前で英語で発信する練習になる」と効果を期待する。それだけでなく「人を笑わせることで、認めてもらったという感動も味わうことができる」と話す。

 同校の近藤隆郎教諭は「英語落語を取り入れて、生徒の積極性が引き出された」と手応えを感じている。ワークショップに参加した中学3年生の八木美音さん(14)は「学校の授業と違って、日本の文化や伝統を感じながら、楽しく英語を学ぶことができた」と話していた。

ミニクリップ
 グローカル化特任講師 英語落語を通して、古典芸能の持つ「古さ」と「新しさ」を生徒らに伝え、英語や日本の伝統文化に対する興味、関心を高める活動に取り組む。