英語に親しむ

第7部「生かす」(下) 授業に英語ディベート

2016年11月7日

自分の考え伝える姿勢を

英語でのディベートに挑戦する生徒ら。奥右から2人目が中川さん=東大阪市の府立花園高校

 宿題は廃止すべきか−。10月24日、府立花園高(東大阪市)で英語のディベートの実践授業が行われた。生徒らはテーマに対して「肯定側」と「否定側」に分かれた。説得力のある主張を展開しようと、懸命に英単語をつなげていく。「we study everyday…」。しかし、思うように伝えられず、もどかしそうな生徒や、単語が浮かばず困る生徒など、反応はさまざまだ。

■理解の道具

 同校と連携して授業に取り組んだ大阪府立大大学院工学研究科助教で、指導役の中川智皓(ちひろ)さん(33)は、それでも次のように評価する。「ちゃんと“伝えよう”とする姿勢が第一歩。英語が下手なのは普通。一言でも発したら合格点です」

 ルールは簡単だ。その場でテーマが発表され、4人一組の各チームが肯定側と否定側に分かれる。次に両チームが1人ずつ交互に2〜3分で意見を述べる。説得力や表現力などを審判が審査し、勝敗を決める。

 同高はこの即興型の英語ディベートを本格的に授業に導入したいと考えている。中原光子校長は「これからの社会は英語を通して人とつながることが必要になる。自分の考えを相手に伝え、お互いを理解する道具として、英語を身に付けてほしい」と狙いを説明する。

■使いながら

 同高が協力を仰いだのが、中川さんだった。2005年の東京大大学院在学時に立ち上げた同大学英語ディベート部は「大学生英語ディベート世界大会ESL」で、日本記録となる準決勝に進出。現在は府立大大学院の助教に就任し、13年以降は全国約400の中学・高校で、英語のディベートの普及を進めた。

 どんな力が養われると期待されるのか。中川さんによると、論理的思考力▽幅広い知識▽プレゼンテーション力▽コミュニケーション力−など。ただし「1回だけでは、ペラペラにはならない。むしろ、思ったより自分が“話せない”ことに気付く。その悔しさが、次のステップにつながる」と続ける大切さを強調する。

 始まる前は不安を感じていた生徒もいたが、体験した生徒からは「この機会にもっとコミュニケーション能力を高めたい」「いい経験になった」「英語はあまり得意じゃないけど、ちゃんと言えて楽しかった」など、歓迎する声が上がった。

 同高英語科の森下信明教諭によれば、英語の学習は「覚えて・練習して・使う」を中心としていたというが、「使いながら覚えた方が定着しやすい」とディベートの効果に期待を寄せる。

 ミニクリップ

 ディベートのルール 一つの論題に対し、肯定側チームと否定側チームに分かれる。議論の中身や説明の仕方など、より説得力のあるチームが勝ちとなる。