金井啓子の現代進行形

大阪府議会に望む真相解明

2017年2月23日

森友学園の土地取引と認可問題

 大阪市淀川区にある学校法人「森友学園」が財務省近畿財務局から取得した豊中市にある国有地が、近隣の国有地のたった1割ほどの価格で払い下げられていた事実が発覚、世間の注目を集めている。財務局が言うには、評価額9億5600万円から「地下に埋まったごみ」を撤去する費用である約8億1900万円を差し引き、最終的に1億3400万円で売却する随意契約が成立したのだという。それにしても安すぎる。

 この土地に今年4月に開校する予定となっているのが「瑞穂の國記念小學院」。学校のホームページには、名誉校長の安倍昭恵氏が「(森友学園の法人理事長である)籠池(泰典)先生の教育に対する熱き想いに感銘を受け、このたび名誉校長に就任させていただきました」という“熱い”言葉を寄せている。昭恵氏は言わずと知れた安倍晋三首相夫人である。そのためもあって、今回の土地取引と安倍首相との関わりの有無も注目を集めているが、首相は先週の衆院予算委員会で、国有地の売却に「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と述べて、関与を否定した。

 ちなみに、森友学園はこれだけではなく、このところ話題に事欠かない存在である。運営する「塚本幼稚園」が、「よこしまな考え方を持った在日韓国人や支那人」などと記載した文書を保護者向けに配布したため、憎悪表現に当たる恐れがあるとして大阪府が森友学園側から事情を聴いていたことも判明したのである。

 ところで、学校のホームページの「入試要項」の欄を見ると、既に2017年度の募集は終わったと書かれており、初めての生徒を迎えるまでにあと6週間を切っている。だが実は、瑞穂の國記念小學院に対する設立認可はまだ下りていない。小学校の設立認可は都道府県の管轄事項。大阪府私立学校審議会(私学審)は「認可適当」と答申しているが、実は大阪府の最終判断はまだ出ておらず、3月中に府が最終的な検査・確認を行い許可書を発行する予定となっている。

 言うまでもないことだが、学校の主役は子どもたちである。何か不具合があったらすぐに「はい、やめます」と言って閉校するようなことは避けなければならない。しかしながら、ここまで書いてきた通り、近畿財務局との不透明な土地取引や“ヘイト文書”の発覚など、森友学園のあり方が社会問題とも言える状況となっている。もうひとつ加えるならば、学校設立の認可を答申した私学審が議論の過程で「森友学園の(小学校設立の)資金に不安がある」と指摘していたことが分かったとも報道されているのだ。

 このような状況でも府は同校の設立を認可するのだろうか。府議会はどう対応するのか。同校に通うかもしれない子どもたちのためにも、この問題を徹底的に追及し議論すべきではないだろうか。

 (近畿大学総合社会学部准教授)