金井啓子の現代進行形

2人の人物が語る森友学園問題

2017年3月23日

きょう証人喚問と参考人招致

 きょう23日のニュースを扱うテレビ番組や新聞の紙面作りの担当者は、ニュースが多すぎるといううれしい悲鳴で頭を抱えることになりそうだ。野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ではアメリカとプエルトリコが決勝戦で対戦する。選抜高校野球も試合が予定されている。そして、なんといっても大きな注目を集めているのが、大阪市の学校法人「森友学園」の理事長を退任する意向を示している籠池泰典氏による国会での証人喚問である。

 “安倍首相からの寄付金100万円”の有無が焦点となりそうだが、受け取ったと主張している籠池氏のみを呼ぶのではなく、“渡し主”とされる安倍昭恵首相夫人も呼んで初めて真相究明に多少なりとも近づくと考えるのは、ごく当たり前ではないだろうか。ただし、今回の証人喚問では寄付金うんぬんばかりが焦点となり過ぎているきらいもある。ありえないほどの安値で国有地が売却され、大阪府が学園側の要望を受けて私立小学校設置認可基準を緩和し、大阪府私立学校審議会(私学審)が「認可適当」とした背景や理由といった、より重要なポイントがかすんでいるのが現状である。

 そういった点を解明していく上で欠かせないのが、きょう23日に行われるもう一つの注目の出来事である。大阪府議会の本会議に私学審の梶田叡一会長が参考人招致されるのだ。

 森友学園による小学校設立の申請を審査した私学審の議事録を見ると、財務状況に対する懸念がかなり強く示されていたことがわかる。また、一部報道によると私学審のある委員は取材に対して、借入金が多いだけでなく寄付金頼みの計画であり、「誰が見てもおかしい話を、府は通しにかかった。よほど強い後ろ盾があると思わざるを得なかった」と証言したという。こうした経緯を経て、最終的に条件付きながら「認可適当」とした私学審を率いていた梶田氏が何を語るのか耳を傾けたい。

 結果的に、森友学園は小学校の認可申請を取り下げた。だが、事をこのまま終えていいわけではない。来月に開校するはずだった「瑞穂の國記念小學院」に入学を予定していた子どもの数は、最終局面ではかなり少なくなってはいたもののゼロではなかったという。木材を多用したあの鮮やかな赤い校舎に通うことを楽しみにしていたであろう子どもたちの悔しさに報いるためにも、そして今後似たような目に遭う子どもをなくすためにも、問題の根っこをしっかりとほじくり返し、同じ問題が起きる可能性をつぶしておかねばならない。

 23日の新聞夕刊や夜のニュース、翌日の朝刊や情報番組では、梶田会長の参考人招致も「大阪のローカルニュース」と切り捨てず、他のニュースに埋もれさせることなく詳報してもらいたいと思う。 (近畿大学総合社会学部准教授)