記者が選ぶ なにわこの1年

 2017年もさまざまな出来事が大阪を駆け巡った。政治から経済、スポーツに至るまで各界で印象に残ったニュースが数多くある。それぞれの話題を追った担当記者が、改めてニュースと共にこの1年を振り返る。

(10)インバウンド続伸

2017年12月30日

大阪の百貨店笑う 外国人の消費下支え

免税カウンターで手続きを待つ訪日外国人=大阪市中央区の高島屋大阪店

 開店前の百貨店で日本人に交じり、大きな旅行カバンを手に待ちわびる訪日外国人(インバウンド)の姿は日常だ。今年も訪日客が続伸し、その消費が大阪経済をけん引。百貨店などが活況だった。

■旅客数過去最多

 関空エアポートが発表した11月の関西空港の運営概況(速報値)によると、格安航空会社(LCC)の増便が貢献し、1〜11月の総旅客数は2557万人とすでに年間の過去最多を更新。11月の国際線旅客数は20%増の183万人で11月としても過去最多となり、外国人客は29%増の125万人だった。

 大阪観光局は、2017年の来阪外国人客数が初の「1千万人超えは確実」とみており、消費にも反映。日本銀行大阪支店によると、関西のインバウンド消費額は16年が約8700億円で、今年はさらに上昇気配。今年11月の金融経済 動向でも引き続きインバウンド消費を「一段と力強さ増している」と説明する。

■免税売り上げ躍進

 インバウンドの増加を背景に、大阪の百貨店は好調だ。日本百貨店協会が発表した11月の全国百貨店売上高は、大阪地区が前年同月比11・6%増の約735億円。前年同月を11カ月連続プラスで推移している。

 このうち高島屋大阪店(中央区)は、17年8月中間期の売上高が東京・日本橋店や横浜店を抑え、同社店舗で66年ぶりのトップになり、なかでも免税売上高は前年同期比80%増と躍進。インバウンド需要の好調は継続し、通年でも大阪店が首位の見通しだ。

 同店は、11月に免税カウンターを倍増し、総売上高に占める免税のシェアが現状で18%台と「見過ごせない数字」にまで成長。化粧品や時計、ブランド品などが人気で、子ども用品は中国客を中心に会員制交流サイト(SNS)を通じて拡散。一時の“爆買い”と様相は違うが、商品指定でまとめ買いする姿が目立つという。

 訪日客は今後も増加するとみられる。一方で百貨店の展望は、しのぎを削る小売業界の中でインターネット通販、若者の百貨店離れを危惧する声もある。さらなる「ファンづくり」(関係者)に努め、中間層の消費の底上げが期待される。

(おわり)
訪日客策、今後も注目

 ○…商戦や催事と今年も百貨店をいろいろと取材させていただいた。百貨店にはわくわく感があり、各店まさに「百貨」の個性だ。ただ、それを生み出すための差異化に苦心する話もよく聞いた。
 大阪の百貨店は訪日客の消費が全体を押し上げているという。店内を見渡すと、その状況は肌で感じる。「日本の良さを徹底的に出していくことに力を入れたい」とある関係者。モノからコトへ。今後も訪日客への取り組みに注目していきたい。