浅野秀弥の未来創案

【維新の大阪退潮鮮明に】

2017年10月26日

大阪3選挙区、比例も5止まり

 今回の総選挙で日本維新の会の退潮が鮮明に現れた。牙城の大阪府内19選挙区で勝利できたのは前回5に対し今回は3。前々回が12だったから減少が顕著だ。自民党は前々回3と惨敗し、前回9と戻し、今回はさらに10とほぼ前々回の結果と比べ、自民と維新が逆転している。

 また比例近畿も5で、これは結党直後の立憲民主と同数。おかげでこれまで比例復活できていた議員も軒並み落選し、解散前勢力から3分の1程度まで減らした。

 大阪都構想に疑問を呈している私は、先の堺市長選で維新候補が敗れた際も、「市議補選は維新が勝利している。力を矮小(わいしょう)化してはならない」と警鐘を鳴らしてきた。今回の敗戦に党代表の松井一郎府知事は、「大阪で競り負けたのは、われわれの力不足。大阪でも維新はこの程度ということ」と自嘲気味総括をした。しかし、2度目の都構想是非を問い来秋にも実施を目指す住民投票については、「地方自治の枠組みの在り方と国政の政権選択は違う。大阪市民は中身で判断してほしい」と話したから、意欲は少しもなえていない。

 大阪での維新政治全盛に待ったを掛けられるのはやはり自民党しかない。19小選挙区結果は公明4が毎回指定席で続き、旧民主系は前々回で全滅したものの、前回1、今回は立憲と無所属に形を変え2とほぼ横ばいで、結局維新に対抗できる勢力は自民しかない。

 大阪の有権者は、長年府庁に巣くってきた中央官僚出身者と市役所を支配してきた大阪市大閥と労組が担ぐトップに飽き飽きし、橋下徹率いる維新政治を拍手喝采で迎えた。しかし、それも「身を切る改革」と言いながら、実態は医療などの住民サービス切り捨てと維新系政治家による既得権の自派への付け替えに過ぎないことを有権者自体が次第に肌で感じている。

 自民から当選した新議員は「個人として小選挙区で強くないと、国政でも地元でも何もできない」とあらためて思い知ったはずだ。ここはしっかりと、地元大阪で“維新の都構想”の行方を彼らが主導して監視し、長年忘れられて久しい“強い大阪自民”を取り戻してほしい。

 あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。