澪標 ―みおつくし―

家族を迎える選択肢

磯谷 いつ穂
ドッグレシピプランナー協会 代表理事
2016年3月11日

 ドッグレシピプランナー協会では、犬と一緒に快適に過ごす方法や食事の知識を知っていただくためにさまざまな資料をお配りしています。その中でも新しい家族を迎えたい方向けにご用意している資料が「犬の選び方・飼い方」です。初めて犬を飼うときに、準備しておくと良いものや、犬を家族として迎えられる場所についても記載しています。

 犬を家族に迎える場合、かわいい仔(こ)犬を実際に目にするのはペットショップが一般的だと思いますが、「保護犬」という選択肢があることをご存じでしょうか? さまざまな理由で飼えなくなった犬たちがいる愛護センター。命の期限が迫っている犬たちが新しい家族との出会いを待っています。愛護センターでも、隣接した場所に次の家族を探すための専用施設を造り、健康管理を行うとともに新しい家族を探す取り組みがスタートしています。

 その他にも動物愛護センターと連携して運営されている団体や、個人で活動を行われている民間団体などさまざまな形態があり、保護犬と新しい家族の絆を結ぶ活動をされています。

 飼い主と離れたことで心を閉ざしていたり、健康状態が良くなかったり、コミュニケーションの時間も必要です。ペットショップと異なる特徴は、仔犬は少なく成犬からシニア犬が多いことが挙げられます。実際に会い、無理なく家族として共に暮らせるかどうか確認すること。また、民間団体や保護団体であれば、独自に〈飼い主としての基準〉を定められていますので、確認する必要があります。

 このような場で多くの犬たちが新しい家族と出会う一方で、センターや団体に持ち込まれる犬たちが減らないのはなぜでしょうか。

 一緒に暮らすことは、時間もお金も必要になります。食事代はもちろん、狂犬病の予防接種、ワクチン、フィラリア予防の薬代、犬種によってはトリミング代など、必要になる費用が多くあります。室内・室外で飼う場合、犬種を考えなければなりません。

 室内で暮らす犬たちが増え、医療の発達や食生活の改善で寿命も延びています。シニアになると、介護が必要になることも考えておかなければなりません。

 今後、飼い主の生活環境の変化や、さまざまな諸事情の変化があることも考慮する必要があります。

 飼い主としてマナーを守り、事故が起きないようにすることも求められます。犬と暮らすために必要な知識を知り、悲しい思いをする犬たちが減るようにしなければなりません。

 犬だけに限らず、動物たち全てに当てはまる事です。

 保護を行うことも、飼育を放棄することも全て人が行っています。家族を迎える前に、飼い主として責任と義務があることを理解しておかなければなりません。

 (いそたに・いつほ、大阪市中央区)