大阪発 癒やしの温泉巡り

石川県 岩間温泉「山崎旅館」(下)

2017年7月1日

非日常の癒やし 楽しむ

大自然の中にある「山崎旅館」の天から星降る混浴露天風呂

 加賀の名山である白山山麓の山深い場所にある秘湯の一軒家「山崎旅館」。これこそ“ほんまもん”の秘湯の宿である。人里から遠く離れているため、宿の周りには大自然以外何もない。この宿のコンセプトは、「白山の大自然の恵みをお客さまに享受してもらって、癒やしの場を提供すること」だ。

 宿の一つ目の魅力は、まず人里から険しい山道を越えてたどり着く手付かずの大自然の中で、誰にも邪魔されない非日常の癒やしの時間を楽しむことができる。二つ目の魅力は、約3・5キロメートル上方の湯元から引湯した源泉掛け流しの良質の温泉を楽しめること。泉質はナトリウム−塩化物泉(弱アルカリ性低張性高温泉)、源泉温度93・0度(浴用は適温に調整)、PH値7・76。浴用は慢性関節リウマチ・血流促進・関節痛・冷え性・水虫などに、また飲用は慢性胃カタル・便秘などに効能あり。浴場は、男女別の木造り吹き抜け天井の内風呂「山小屋の湯」、屋根が一切なく、開放的で天から星降る混浴露天風呂「銀河の湯」がある。女性には気兼ねなく入浴できるように湯衣(腰巻)が用意してある。

 三つ目の魅力は、白山周辺の山々や川で採れる山菜やキノコ、イノシシなどのジビエ、イワナなどの川魚のほか高原野菜といった地の旬の恵みを素材とする田舎料理を「奥山膳」でいただけること。数々の素朴な手料理はおいしくヘルシーである。私が行った日にいただいた夕食は、イワナとニジマスの造り・イワナの塩焼き・鹿肉と地野菜のオイル焼きなどの大満足の料理であった。

 四つ目の魅力は、3代目山崎太一朗さんをはじめとして宿の人たちの素朴で心のこもった接客を受けられること。そして五つ目の魅力は、宿の周りにはいろいろな見どころがあること。徒歩約60分の場所にある岩間温泉元湯の大自然に抱かれた野天風呂、更に奥へ徒歩約40分でたどり着く岩間噴泉塔群、宿から歩いて約15時間で登頂できる白山登山など。太一朗さんは「お客さまに一層自然とのふれ合いを楽しんでもらえる宿作りを目指したい」と話す。関西からは少し遠いが、白山の山深い場所にあって、“ほんまもん”の秘境の温泉であるこの宿に、心の洗濯も兼ねてぜひ訪れてほしい。

 (大川哲次・温泉学会副会長、弁護士)

●温泉のプロフィル●
【所在地】石川県白山市尾添ム4の1
【電 話】076(256)7950
【部屋数】15室(本館10室、別館5室、定員45人)
【宿泊料金】本館9500円(1泊2食、入湯税150円のみ別)〜、別館1万2500円(同)〜
【営業期間】冬は積雪のため、5月下旬〜11月初旬の季節営業(今年は7月1日から営業開始)
【定休日】毎週水曜日(ただし休前日の場合は翌日に変更)
【日帰り入浴】営業時間午前11時〜午後6時
【入浴料金】大人700円、小人400円
【交 通】
・JR西金沢→(北陸鉄道20分)鶴来→(バス40分)瀬女高原→(送迎あり・要予約25分)宿
・北陸自動車道小松ICから車で約65分