大阪発 癒やしの温泉巡り

東京都青ケ島村 青ケ島ふれあいサウナ(温泉)《上》

2017年7月15日

なかなか行けない「絶海の孤島」

尾山展望公園から見た青ケ島の端正な二重カルデラの美しい姿

 「青ケ島」という名の島をご存じだろうか。この島は、アメリカで選定された「死ぬまでに見るべき世界の絶景13」で、唯一日本から選ばれている。東京から南へ358キロメートル、八丈島からでも南へ71キロメートルと、太平洋上にポツリと浮かぶ面積5・96平方キロメートル、周囲9・4キロメートルの小さな島である。

 数千年前、海底火山の噴火によって誕生し、二重式カルデラ火山の8合目から上が海上に頭を出す形の島だ。黒潮の真っただ中にあり、切り立った断崖絶壁という地形のため浜辺や入り江はない。今も八丈島から出る連絡船の就航率が約6割にすぎず、東京都内の島でありながら、行きたくてもなかなかたどりつけない「絶海の孤島」と言うに値する。

 島の人口は160人ほど(明治期の多い時期には800人もいたという)で、全国で最小の行政村である。青ケ島にいつから人が住むようになったかは定かではない。この島が初めて歴史上に登場するのは15世紀に入ってから。それはいずれも船の遭難などの海難事故の記録ばかり。黒潮の影響を強く受ける当時の海上交通がどれだけ困難であったかがしのばれる。

 青ケ島の現在の姿は、江戸時代の1785(天明5)年に起こった「天明の大噴火」によるもの。島民200人ほどが八丈島へ逃れ、この島は無人島と化した。それから約50年。佐々木次郎太夫が島民の先頭に立ち、幾度もの苦難に耐え、悲願の青ケ島への「還住」を果たしたのは、約半世紀も後の1832(天保6)年であった。

 私は、忙しく弁護士をしながら旅をわが人生と考える旅好き人間である。旅の中でも主に秘境の島を巡る島旅が好きである。今まで日本で一番北端の礼文島、南端の波照間島、西端の与那国島などほとんどの島を旅してきた。東京都の島の中でも八丈島や遠い小笠原も訪れた。しかしながら青ケ島だけは、その交通の不便さもあって、行ってみたい、行ってみたいと長らく恋い焦がれながら、なかなか行く機会には恵まれなかった。

 しかし今年5月28、29日、長年の夢がかなって訪れることができたのである。それは、私が世話人として10年以上にわたって取り組んでいる離島でのボランティア法律相談会(23回目)を青ケ島で実施するための旅であった。青ケ島の具体的な訪問記は、次週に紹介する。

 (大川哲次・温泉学会副会長、弁護士)

●温泉のプロフィル●
【所在地】東京都青ケ島村無番地
【電 話】04996(9)0111(青ケ島役場)
【営業時間】平日午後4時〜8時(入館は午後7時まで)土日祝日午後2時〜8時(入館は午後7時まで)
【料 金】300円(60歳以上は100円)
【定休日】第1・3水曜日
【宿 泊】なし(島の民宿を利用)
【交 通】羽田空港→(飛行機で約50分)八丈島→(ヘリコプター約20分、または連絡船約3時間)青ケ島