大阪発 癒やしの温泉巡り

石川県・白山一里野温泉 「一里野高原ホテル ろあん」(上)

2017年11月25日

自然と一体、元気に

杉林などの森を見ながら自然と一体となって入浴できる森林浴露天風呂『森の湯』(男性用)

 富士山、立山と並んで日本三名山と称される加賀の「白山」(標高2702メートル)。白山北山麓の標高500メートルの位置にあるのが「白山一里野温泉」。急峻(きゅうしゅん)な山々に囲まれた山あいの温泉である。

 1977(昭和52)年夏の石川県と岐阜県を結ぶ白山スーパー林道(現・白山白川郷ホワイトロード)の開通に合わせて、75年秋に約10キロ奥の谷間に湧く岩間温泉元湯から引湯された温泉だ。この引湯工事は、2年以上におよぶ難工事であったが、それを成し遂げたのは、白山一里野温泉の宿「一里野高原ホテル ろあん」2代目代表の山※太一朗さんの祖父・新一さん、父・正夫さん、地元尾添地区区長らの人生を懸けた多大な尽力によるものである。

 「一里野」という名は、平らな場所がない中で約一里の広さがある田んぼや杉林を切り開いて温泉地を造りだしたという意味に由来している。この開発は、石川県が県南方奥地の地域振興のために一大プロジェクトとして実施。白山の山懐に抱かれた、小さくても明るい雰囲気のある高原の温泉地だ。

 中心部に位置するのが「季間(きま)まな宿 一里野高原ホテル ろあん」である。創業は、77年8月15日に白山スーパー林道が開通した直後の同年10月17日。初代代表は正夫さんの妻で、太一朗さんの母・久栄さん。久栄さんが2010年5月に亡くなり、太一朗さんが経営を引き継いだ。コンセプトは「お客さまが白山の自然の恵みを享受し、癒やしをもらって元気になってもらう宿づくり」。

 私は今から20〜30年前、白山登山の際などに白山北山麓に湧く秘湯によく訪れていた。そして昨秋、久しぶりに「岩間温泉」と、白山白川郷ホワイトロードの玄関口にある「中宮(ちゅうぐう)温泉」に宿泊した。それらの秘湯は、昔と変わらない山の湯の素朴な雰囲気をとどめていた。当時感じた郷愁にも似たこれら温泉への思いが、今年再度訪れる原動力となり、10月7〜10日まで「白山温泉」「白山一里野温泉」「岩間温泉」の三秘湯の宿に泊まることとなった。宿「ろあん」の種々の魅力は次週に紹介する。

 (大川哲次・温泉学会副会長、弁護士)

 ※は山竒

●温泉のプロフィル●
【所在地】石川県白山市一里野尾添チ70の4
【電 話】076(256)7141
【部屋数】29室(和室22室、洋室6室、露天風呂付特別和室1室)
【宿泊料金】オフ=1万3千円〜、オン=1万6千円〜(1泊2食、いずれも2人1室、消費税・入湯税別料金)。休前日は、いずれも2千円プラス
【日帰り入浴】営業時間午前11時〜午後8時
【入浴料金】大人700円、小人400円、食事付各種日帰りプラン・貸し切り風呂あり
【定休日】不定休
【交 通】
・JR西金沢→(北陸鉄道20分)鶴来→(バス40分)瀬女→(送迎あり約15分・要予約)宿
・北陸自動車道小松ICから車で約50分