大阪発 癒やしの温泉巡り

大分県日田 琴平温泉「旅籠かやうさぎ」 (上)

2018年3月17日

築130年大正ロマン漂う

雪の日に訪ねた魅力あふれる隠れ家・旅籠かやうさぎ玄関
願い事なら何でもかなえてくれる高塚愛宕地蔵尊拝殿でお祈りする妻

 大分県で、江戸時代は水郷で天領として栄えた日田。大分の小京都といわれ、豆田町を中心にレトロななまこ壁の豪商の屋敷が残り、一度訪ねてもまた行ってみたくなる魅力にあふれた不思議な街だ。

 私は、今から34年前、当時結婚5年目の妻・貴代美と訪れた。別府に大型フェリーで着いた私たちの旅は、別府から長崎まで2泊3日、タクシーを貸し切って中九州を横断する旅であった。乗ったタクシーの運転手は別府に住む山※さんだった。結婚5年目で子どもに恵まれなかった私たち夫婦は、そのことを山※さんに話したところ、願い事なら何でもかなえてくれる、所願成就に御利益があると評判の、日田市山中にある「高塚愛宕地蔵尊」に案内してくれた。

 旅から帰って数カ月後に妻は待望の長女を妊娠。その長女も今は32歳で、私たち夫婦にとって日田は幸せを呼ぶ街として強く印象に残っている。残念なのは、出会ってから親しく付き合っていた山※さんが、今から15年ほど前に亡くなったことである。

 日田の街の南方の山あいに静かにたたずむ隠れ宿「旅籠かやうさぎ」。今回一緒に旅をした福岡県豊前市に住む中村順子さんから、日田にいい温泉宿があると紹介されたのがこの宿である。中村さんは、20年ほど前に熊本県小田温泉でたまたま知り合い、それ以来親しくさせてもらっている温泉大好き主婦だ。

 この宿は2005年にオープン。築130年の庄屋の古民家をそのまま利用した古き良き時代の大正ロマン漂う宿である。中村さんに感謝しつつ家内、中村さん、そして仲間3人とともに、雪の降りしきるこの宿での至福の時間を過ごすことができた。この宿の魅力は次週に紹介する。

 (大川哲次・温泉学会副会長、弁護士)

 ※は山ヘンに竒

【所在地】大分県日田市琴平町1529−1
【電 話】0973(26)0022
【部屋数】母屋和室6室、離れ和室7室(内湯・露天風呂付)
【宿泊料金】母屋1万5千円〜(1泊2食付・2人1室、サービス込、消費税・入湯税別)、離れ2万5千円〜(同)
【日帰り入浴】営業時間午前11時〜午後2時
【入浴料金】700円(露天風呂または内風呂)
【交 通】
・JR久大線日田駅からタクシーで約10分
・大分自動車道日田ICより車で約15分