相羽秋夫のお笑い食べまくり

上方落語 「宿屋町」

2016年11月19日

朝昼晩 三者三様の顔

お昼に人気の「チキン唐揚げプレート」

 伊勢参宮の帰路。男2人が大津(滋賀県)の宿(しゅく)に差し掛かる。猛烈な客引きに遭い、中の1軒の宿に泊まることになる。草鞋(わらじ)を脱ぎ、足を洗って座敷に上がると、「風呂と飯と、どちらを先になさる」と問われ、男たち「風呂の中へお膳を持って来てくれ」。「東の旅」という長編オムニバス落語の一編「宿屋町」である。

 大阪市第3のターミナルあべの界隈(かいわい)は、ホテルが乱立する宿屋町だ。10年前にオープンした「アパホテル天王寺駅前」の1階にあるD(ダ)in(イニ)ing(ング)&B(バ)ar(ー)「cafe(カフェ)gr(グレ)ainfield(インフィールド)」(穀物畑の意)は、毎日三様の顔をみせる。

 朝は、宿泊客を主体にした和食・洋食・日替わりの3種の定食が用意される。前日予約1100円(全て税込み)、当日1300円は、ドリンク飲み放題の値である。

 昼は、近辺のサラリーマンを対象にしたランチで迎える。1番人気は「きのこオムカレー、スープ・ミニサラダ付き」(850円)で、白ご飯をトロトロの卵焼きでくるみ、辛口のカレーを掛ける。その絶妙な味のハーモニーが評判なのだ。「チキン唐揚げプレート」(750円)も、安価で美味だと注目を集めている。

 午後6時からは、ディナーセット(900〜1800円)で、宿泊客やグルメファンをお・も・て・な・し・する。「特製ハンバーグセット」(千円)は、チーズと目玉焼きが乗っていて、ご飯またはパンと、味噌(みそ)汁またはスープを選ぶ。「こんがり焼き野菜サラダ」(600円)や、「北海真いかのカルパッチョ」(500円)のような1品で、「生ビール」(550円)や「グラスワイン」(400円)を楽しむのも良しだ。

 三越百貨店を振り出しに、食品業界一筋に歩いてきた清水一広オーナーを慕い、府立阿倍野高校の同窓生や、“西成ジャズ”ファンも集う。さまざまな旅人が行き交う宿屋町の“穀物畑”である。

(演芸評論家)