相羽秋夫のお笑い食べまくり

上方落語 「須磨の浦風」

創作ダイニング「NENGOROYA」
神戸市須磨区須磨本町1の1の4
078(733)9516
午後5時半〜同11時 月火休み(ただ し 祝日の場合は営業)
予約可
2016年12月10日

フレンチベースの創作料理

創作メニュー「ムサカ」

 豪商・鴻池(こうのいけ)善右衛門が、紀州の殿様を自宅に招くことになった。猛暑のこととて、冬景色の築山を造り、そこに涼しい須磨の浦の風を吹かせようという趣向を考えた。そこで、浦風を採集するため、たくさんの人足を集めて須磨の浦に送り出す。笑福亭仁鶴が得意とする「須磨の浦風」だ。

 その浦風を味わうために須磨に出かけた。JR神戸線と並行に走る国道2号線沿いで、創作ダイニング「N(ネ)ENG(ンゴ)OR(ロ)OY(ヤ)A」を見つけた。

 聞き慣れないメニューが50種(480〜780円、全て税込み)ほど並ぶ。ホテルでフランス料理を学んだ尾崎秀則オーナーシェフが、食べ歩きして注目した料理を自分流にアレンジして、この店にしかないものに変化させる。だから、メニューは年に1〜2回はリニューアルして、どんどん進化している。

 そうした中で、尾崎さんがあえて選んでくれたのは、まず「ムサカ」(680円)。じゃが芋と茄子(なす)とミンチを重ねてグリルするギリシャ料理を日本人向けにあっさり味にしたものだ。さらにミンチをレタスで包む中国料理をヒントにし、レタスを細かく刻みミンチと混ぜた「ニイハオサラダ」(680円)や、「ピリカラこんにゃくベトナム風」(580円)を推薦してくれた。

 初来店の人には、これらの逸品を含めた6種類とデザートの「デュエットコース」(2人前・3980円)を、お勧めしたい。

 アルコールが苦手なシェフは、下戸(げこ)のお客のために50種以上のソフトドリンク(500円前後)を考案した。ノンアルコールカクテルは圧巻だ。もちろん呑(の)ん兵衛用にも、「デンマーク生ビール」(480円)をはじめ飲酒メニューが百種も揃(そろ)っている。

 ソースからデザートまで全て手作り。今後は自家農園で栽培した野菜を使用する方法を検討中だ。“懇(ねんご)ろ”にもてなすことをたえず考えている“須磨人(スマート)”な尾崎さんである。

(演芸評論家)