相羽秋夫のお笑い食べまくり

東京落語 「水掛問答」

和食「法善寺 山岡」
大阪市中央区難波1の1の14
06(6210)3771
午後5時〜同11時
水曜休・予約可
2017年3月25日

絶品の「おまかせ料理」

コースメインの肉料理は見た目も美しい

 男が2人、禅問答を始める。「汝(なんじ)、龍となりて吾(われ)を取り巻く時、焔(ほのお)となりて焼き殺す」と1人が言えば、相手は「水となりて消す」と答えるので、「吾、堤となりて防ぐ」と応ずる。さらに「ならば猪(いのしし)となりて堤を壊す」といった調子で、果てしなく結論の出ない問答が続く。珍品「水掛問答」である。

 大阪・ミナミの名刹(めいさつ)・法善寺の水掛不動尊近くで、本格的な和食の店「法善寺 山岡」を4年前から営むのが、山岡吾郎店主だ。大阪で育ち、ミナミの老舗割烹(かっぽう)で腕を磨き、8年間も料理長を務めて独立しただけに、大阪の料理にかける味の思い入れと腕は一流である。

 献立は「おまかせ料理」一手。予約なしで来店の場合は8千円(全て税別)のみで、前日までに予約すれば、8千・1万・1万2千の3コースから選択することができる。どのコースも品数は同じだが、食材に違いが出る。いずれも月単位で内容が替わる。

 店主が特にこだわる献立は3つある。まず2番目に出てくる“椀(わん)物”だ。渾身(こんしん)の力を込めた出汁(だし)に、蓮根(れんこん)餅や玉子(たまご)豆腐と金目鯛(だい)、あるいは枝豆身丈(しんじょう)などを浮かべる。

 次に6番目に出る肉料理。主に九州産の和牛を大量に仕入れて、それを炭火で焼く。月によって醤油(しょうゆ)漬の卵黄、辛子味噌(からしみそ)、山葵(わさび)醤油などに付けて食べる。舌の肥えたお客も絶句するという。

 そして締めの“ご飯”。季節に応じて、百合根や新牛蒡(ごぼう)、長芋といった旬の野菜の炊き込みご飯を提供する。

 日本酒は純米酒にこだわり、多くの銘柄をそろえている(180ミリリットル千円から)。ワインは国産品に限定している(グラス700円から、ボトル4千円から)。

 「私がお客さまとおしゃべりをしながら、楽しく食べてもらう」が店主のモットーだ。水掛け論は絶対しない。

(演芸評論家)