来阪catch

ワクワク感で撮った

映画「帝一の國」 
監督 永井 聡
2017年4月30日

漫画から飛び出た演技見て

「映画は作り手の執念が出ると思う」と話す永井聡監督=大阪・茶屋町のアプローズタワー
菅田将暉(右)と吉田鋼太郎=(C)2017 フジテレビジョン 集英社 東宝 (C)古谷兎丸/集英社

 人気CM監督の永井聡(46)が大阪出身の菅田将暉主演で撮った映画「帝一の國」(東宝配給)がTOHOシネマズ梅田・同なんばで上映されている。古谷兎丸の同名コミックの映画化で「その世界を狂気的に美しく、ワクワクしながら撮った」という永井監督に話を聞いた。

 サントリーBOSS「ゼロの頂点」や「グリーンダカラちゃん」など多くのテレビCMを撮った売れっ子ディレクター。映画は「いぬのえいが」(2005年)の短編でデビューし、CM界を舞台にした「ジャッジ!」(14年)、SF調の「世界から猫が消えたなら」(16年)があり、「動物、SF、CGと、ジャンルは何でも」という立ち位置だ。

 そして今度はコミック原作。「古谷さんは僕と世代が一緒なので、昭和のレトロ感などで共通するものがあったが、主演の菅田将暉くんら今の女性たちに人気の俳優を主演にして、昭和と平成の物語をどうミックスして描くか。それが僕に期待されたのだと思って取り組んだ」

 エリート秀才高校が舞台で、子どものころから父親(吉田鋼太郎)に「将来は総理大臣に」といわれて英才教育を受けた赤場帝一(菅田)が入学するところからドラマは始まる。「年配の世代からはタイトルが『帝國』というイメージにとられそうだが、逆に今の若い世代には分からないかもしれない。その辺を鍵に、菅田くんと2人で原作の絵から現実的なポーズを作ることから始めた。父と息子の関係は狂気的だが、ある意味美しい。鋼太郎さんの父親役が強烈で、古きよき時代という意味もある」

 帝一は総理大臣になって自分の國を創ると思っている。そのためには「まず高校で生徒会長になること」。入学早々、生徒会長選挙で試しの格付けバトルに参加する。「帝一に白鳥美美子(永野芽郁)という彼女がいるが、恋愛はあまり描かれず、男の子たちの戦いがライブで展開する。そこを面白く、ワクワクしながら撮った」

 長編映画はこれが3本目。「前2作はCMとは違う映画監督という意識が強かったが、今回は少し力を抜いて『CM監督で培ってきたものを映画に出せばいいんだ』という気持ちになった。ただ、CMは作ったらそれで終わりだが、映画は公開されていろいろある。内容的な批評や、興行的なものなど全部監督の責任で、隠れられない。そういう意味では映画は執念がないと撮れない気がする」

 それにしても、菅田を取り囲む俳優に兵庫県出身の野村周平、竹内涼真、間宮祥太朗、志尊淳、千葉雄大といった売れっ子イケメンスターがそろっている。「このメンバーがもう一度集まるのは無理かもしれない。それぞれが芝居をぶつけ合って、コミックの世界から飛び出た演技を見せている。その暴れぶりをファンタジーとして楽しんでもらえれば。特にこだわったのは音と音楽で、菅田くんがピアノを弾くシーンもある」