来阪catch

真っすぐ愛を受けとめて

映画「ピーチガール」
監督 神徳 幸治
2017年5月21日

前のめりで見てほしい

「楽しんで見てもらえるエンタメ映画を」と話す神徳幸治監督=大阪市内のホテル

 山本美月とHey!Say!JUMPの伊野尾慧がダブル主演の青春映画「ピーチガール」(松竹配給)が大阪ステーションシティシネマほかで上映されている。「原作コミックの愛の世界を真っすぐ受けとめて、ラブコメに初挑戦した」という、これが劇場映画デビューの神徳幸治監督(42)に話を聞いた。

 神徳監督は大阪出身で地元のビジュアルアーツ専門学校大阪を卒業後、テレビドラマの演出家として活躍。「今回劇場映画のチャンスを得たので、素直に楽しくて面白いエンタメ映画を目指した」とキッパリ。「ドラマではサスペンスものが多かったが今回はラブコメに初挑戦。山本さん、伊野尾くんの若手コンビに恋のすれ違いをピュアに真っすぐ演じてもらった」。

 原作は約20年前に発表された上田美和の少女コミックで、台湾でテレビドラマ化され、日本ではテレビアニメ化されるなど女子高生の間でブームを巻き起こした。神徳監督はドラマ「フラガールと犬のチョコ」(2015年)でヒロインものを扱っているが「上田コミックを読んで少し昔の感じもする若者世界が逆に新鮮で、感情移入することができた」という。

 高1の元水泳部の安達もも(山本)はスタイルが良くて健康的な女の子で、中学生の時から同窓だった東寺ケ森一矢(とーじ=真剣佑)に思いを寄せている。とーじも彼女のことが好きだけど、2人の間に、学校一のモテ王子の岡安浬(カイリ=伊野尾)と、小悪魔的な柏木沙絵(永野芽郁)が割り込んで、それぞれうまくいかない恋愛模様がユーモラスに描かれる。

 「原作の面白さを80%生かして、後の20%を映画的に付け足し、いいとこ取りの作品になった。とにかく、観客が“前のめり”になってくれるような映画にしたかった」と振り返る。

 「山本さんが役をすごく研究して演じてくれたし、伊野尾くんが映画『エデンの東』のジェームス・ディーンのような感じの青年を明るく演じとてもよかった。真剣佑くんのマジメな青年と、天使のようで小悪魔の永野さんの存在感もドラマのテンポとリズムを作ってくれたし、現役高校生の年齢に一番近い永野さんは僕の先生で、女子高生が考えることをいろいろ教えてもらった(笑)」

 永野は「ひるなかの流星」など今映画で売れっ子。今回はドラマ展開の鍵を握る役どころを担っている。ヒロインの山本は映画「貞子VS伽耶子」や「少女」で見せた表情とは違う、天然女子高生を好演。伊野尾が表面はひょうきんだが、意外なナイーブな主人公を演じていいコンビぶりを見せている。

 「伊野尾くんのカイリがパティシエを目指している高校生で、彼が作るケーキにヒロインへの思いが託されており、そこに僕の映画への思いも重ねている。タイトルバック後のラストシーンも見逃さないでください」