来阪catch

元アイドルの哀歓を

映画「ピンカートンに会いにいく」
主演 内田 慈&監督 坂下雄一郎
2018年3月17日

初主演でホロ苦く

「アラフォー世代の泣き笑いを」と話す内田慈(左)と坂下雄一郎監督=大阪市北区の梅田スカイビル
「ピンカートンに会いにいく」の内田慈(左)=(C)松竹ブロードキャスティング
元アイドルのアラフォー女性がグループ再結成の夢に挑戦するヒューマン・コメディー「ピンカートンに会いにいく」(松竹ブロードキャスティング/アークフィルムズ配給)が17日から、シネ・リーブル梅田で公開される。主演の内田慈(ちか)(35)と坂下雄一郎監督(31)に「初主演でホロ苦く」「元アイドルの哀歓を」という話を聞いた。

 沖田修一監督の「滝を見にいく」、橋口亮輔監督の「恋人たち」などの話題映画を製作している松竹ブロードキャスティングの第5弾。坂下監督は「東京ウィンドオーケストラ」に続いて2回目の登板で、前作同様自身のオリジナル脚本で映画化。「100個あった企画アイデアから、元アイドルの復活話を、面白く自分に重ねて描けると思って選んだ」という。

 小さな芸能事務所で売れない女優として働いている神崎優子(内田)が主人公。ある日突然、別の音楽事務所から「元アイドルグループの復活を」と持ちかけられる。優子は元「ピンカートン」というアイドルグループのリーダーをやっていたのだ。内田は「恋人たち」の好演も印象に新しいが「今回は私にとって映画初主演。やりたいと思うと同時に、空回りする“イタイ女”というところに共感を覚えて取り組んだ」

 元グループのメンバーに声をかける役目も優子が担う。内田は「ほかの4人はもう一般人で結婚もしていて、再結成なんて無理と拒否するが、自分と同様に『ひょっとしたら』という気持ちがない訳ではない。優子自身、もう一度夢をとメンバーを説得し始める。その辺はワクワクしながら演じた」。

 坂下監督は「アイドルには以前から興味があり、その10、20年後はどうなるのかということもよく考えた。僕自身、30歳を過ぎてこれからどうなるのかとよく思うので、それが元アイドルの優子たちと気持ちがつながった。人生のピークはこれから先にあると誰でも信じたいところがあるから…」。

 グループが解散したのはメンバーの一人の葵(松本若菜)と優子の間でごたごたがあったからだが、葵もまだ芸能界に未練を持っていることが分かり再結成の話がまとまる。「それで昔のような派手な衣装を着て、再び5人が一緒に並んで歌うシーンがありこれはさすがにホロ苦く緊張したし、恥ずかしかった。大黒摩季になったつもりで歌ったけれど…」と内田は笑う。

 「テレビの番組で昔のアイドルはよく出て来るし、その姿に驚きながらも、それを懐かしく思う人は多い。優子たちもそう思われるかもしれないし、そうでないかもしれない。果たしてその後どうなるか。米芸能界の話をよく映画にするウディ・アレン監督の作品のように哀歓を伴いながら、優子たちの真っすぐなアラフォー精神を描いた」と坂下監督。

 「その成り行きは映画館で確かめてください」と内田と坂下監督は笑顔で口をそろえた。



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