日曜インタビュー

リアルな夫婦ごっこ

映画「PとJK」
監督 廣木隆一
2017年3月19日

制服にこだわって

「古いかも知れないけど、新しく…」と話す廣木隆一監督=大阪市内のホテル

 三次マキの同名コミック原作を実写映画化した「PとJK」(松竹配給)が25日から、大阪ステーションシティシネマほかで公開される。亀梨和也(30)と土屋太鳳(21)が初共演した青春恋愛映画で「制服にこだわって、リアルな夫婦ごっこにした」という廣木隆一監督に撮影裏話を聞いた。

■コミックの映画化

 −コミック原作の青春恋愛映画が続いている。

 「ストロボ・エッジ」「オオカミ少女と黒王子」などがあった。昔の僕の映画とは路線が違うが、なぜかこちらが続いている。還暦を過ぎたところで、青春映画を撮るのはどういうことかと思うが、要するに昔の自分を思い出しながら、あの時代を現在に移し替えて撮るしかない。そういう意味では懐かしい青春映画になるのかもしれない。

 −今度の作品は少しタッチが変わっている。

 原作の主人公がP(ポリス)とJK(女子高校生)で、あまり例のない組み合わせの恋愛ものになっている。キャスティングが難しいと思ったが、亀梨君が警察官・佐賀野功太で、太鳳ちゃんが女子高生・本谷歌子(カコ)でぴったりはまった。太鳳ちゃんは青春真っ盛りの女優さん。亀梨君は今まで演じたことがない役どころで、髪形を変え、真面目な警察官になってくれた。

 −亀梨君は昔のジュリー(沢田研二)のイメージがある。

 ジュリーは「太陽を盗んだ男」など硬派のイメージがあったが、亀梨君の警察官姿を見たら、ジュリーに似ていると思った。コミックの映画化で面白いと思ったのは警察官と女子高生の制服をどう見せられるか。僕は少し制服フェチなので、功太と歌子はお互いの制服に憧れがあると思ったし、その辺が映像化のポイントになったかもしれない。

■旧作名画の影響?

 −全く立場の違う2人の恋愛はなかなか成立しない。

 昔は「おくさまは18歳」というドラマ(映画化も)があったが、あれは女子高生(岡崎友紀)と先生(石立鉄男)が同棲して周囲をハラハラさせる喜劇だった。相米慎二監督の映画「跳んだカップル」は高校生同士(薬師丸ひろ子・鶴見辰吾)がひょんなことで同じアパートの部屋で同居する話だった。僕としては相米作品が好きだったのでそちらの影響を受けているかもしれない。

 −功太と歌子がすぐに結婚するのに驚かされる。

 功太にとっては、最初は女子高生の歌子と付き合うのははばかれたが、結婚すれば抵抗なく付き合えると思う。歌子も最初は驚くし、両親の反対もあって戸惑うが、好きだから仕方がないとそこへ突き進む。しかし、友人や周囲の人間に「結婚した」と簡単に言えない。知っているのは歌子の女友達の三門(玉城ティナ)で、歌子が好きな金髪のクラスメート・大神(高杉真宙)はそれを知らずに警察官の功太ともめ事を繰り広げている。

 −やがて歌子が功太のある過去を警察官の山本(田口トモロヲ)に聞いて動揺する。

 功太の父親が殉職しており、その事件に息子の彼が関わっていたことが分かる。その話があって2人がすれ違っていくことになるが、その辺は、歌子の父(村上淳)と母(ともさかりえ)が支えているし、警察官の山本ら大人が2人を見守っているので、決して重いテーマだけでは終わらない。

 −痛快なラストシーンになっている。

 結局、若い人の生き方は若い人に任せるのが一番で、主人公の2人と、若い共演者とスタッフに委ねた。

 −昔の「ヴァイブレータ」のような映画も撮ってほしい。

 今、二つの作品に関わっているが、1本はそちらの路線に近いところがある。世代に合った映画も撮らないと、どこか落としものをしたような気になる。

 ひろき・りゅういち 1954年生まれ。福島県出身。82年「性虐!女を暴く」で監督デビュー。94年「800 TWO LAP RANNERS」で文化庁優秀映画賞など受賞。2003年「ヴァイブレータ」で国内外40以上の映画賞を受賞。ほかに「余命1カ月の花嫁」「夏美のホタル」など多数の売れっ子。


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