旅ばな

 外資系シティーホテル、大型リゾートホテルなどの総支配人を経て、現在、ホテル・旅館プロデューサーとしてホテルの再生・運営を主に活動する吉武英行が、旅のエピソードや宿での失敗談、宿の上手でお得な利用の仕方などを連載します。

ホテルは若い才能を他業界に取られている

2017年7月31日
婚礼にも若い感性のアイデアが重要

 ホテルの付加価値を構成する三つの柱。ハード・ソフト・ヒューマンウエアがある。

 昨今のホテルはハードウエアに力を注ぎ、素晴らしい設備もそろえているが、ハード以外の魅力でお客を引き付けることができているだろうか? 知恵やサービスを含むソフトウエア、ヒューマンウエアに魅力がなくなってしまっている気がしてならない。婚礼ひとつ取り上げても、何の工夫もない婚礼料理。どのホテルでも変わらない押しつけの金太郎飴(あめ)のような婚礼演出を高額な料金で売りつける。

 本来なら、今この時代に世の中に出て、ホテル業界で活躍するはずの若者が大勢いるはず。特に若い女性は時代を読む力、いいものを選別できる感性を持っている。この感性のアイデアをベテランのホテルマンが形にし、お客に提案していくことが何より望ましいのではないだろうか。

 ホテル業界は優秀な若い人材を失い、それを他業界に取られているのだ。日本のホテル業界は再び欧米に10年、20年と後れを取ることになる。優秀な人材を迎えられなければ、優れたソフトウエアやヒューマンウエアは出現しないことになる。これからでも遅くないと思う。オペレーションに力をつけ優秀な人材確保に努力を促したい。

 いつの時代も変化があるのが当たり前。ホテル業界も変革が必要。昔、はやった服は現代では通用しないのだから。お客のニーズを捉えたホテルの環境づくりが大切である。

 (ホテル・旅館プロデューサー)