旅ばな

 外資系シティーホテル、大型リゾートホテルなどの総支配人を経て、現在、ホテル・旅館プロデューサーとしてホテルの再生・運営を主に活動する吉武英行が、旅のエピソードや宿での失敗談、宿の上手でお得な利用の仕方などを連載します。

旅館もインターナショナルスタンダードを

2018年8月6日
旅館のサービスも国際基準に

 すべての旅館はいわゆるリゾートに属する。世界的にリゾートは滞在時間がゆったりと設定されているもの。世界と比較してみると、チェックイン、アウトの時間差は驚きである。旅館の場合、午後3時インのアウト午前10時が大方の設定になっている。

 世界的リゾートの場合は、よほど混んでいない限り、時間に細かいことは言わないものだ。日本の観光型旅館は、一昔前の団体観光客の受け入れを主に商売をしていた関係上、早朝の出発を見越してのイン、アウトの時間設定をしていたのだろうと考慮される。

 現在の予約の在り方を考えると、90%がネットでの個人予約、また従来のように4〜5人で1室ではなく、2人での部屋使用の時代であるにもかかわらず、従来のままの受け入れはどうかと思う。ホテルと違い、チェックアウト後の居場所がない旅館で朝10時にお客を追い出すのは、ちょっと酷ではないか。

 また、露天風呂の人気で旅館の浴場施設の質も向上しているわりには、タオルについてはホテルよりはるかに遅れている。昔の日本人が1枚のタオルで入浴する習慣があったためか、旅館でタオルに対する関心が薄いのだろうか。近頃やっとバスタオルが普及したものの、相変わらずの旅館名が印刷された薄っぺらなハンドタオルには寂しいものがある。

 しかし、世界のスタンダードを超えるものもある。海外のホテルではバスローブ等は一部の高級ホテルだけだが、日本ではどの客室にも寝間着(浴衣、ガウン、丹前)が当たり前のように備わっている。日本が世界に自慢できるユニークなサービスであり、外国人にも好評である。

 旅館は日本古来の伝統文化。しかし利用者は現代人である。国際レベルに照らし合わせて検討する必要もあるのではないか。

 (ホテル・旅館プロデューサー)