自治体の避難行動要支援者名簿 平時は共有制限 どう対応 法改正で民生委員困惑

 災害時に周囲の手助けが必要な高齢者ら「避難行動要支援者」の名簿は各自治体が制作しており、災害時には本人の同意がなくても関係機関で共有できる。日常の見守り活動などを目的に平時でも民生委員と共有することが可能だったが、4月の個人情報保護法の改正で、同意者のみにしか共有されないよう変更された。条例を定めれば従来通り平時でも共有できるが、情報管理面でリスクもあるため、県内自治体も頭を悩ませている。

 「情報の元栓が閉められた状態」。そう話すのは、県民生児童委員協議会の松田吉正会長だ。松田会長は鳥取市鹿野町内の民生委員も務めるが、法改正後、市から共有される名簿情報がこれまでの10分の1程度になった。「居住地以外で活動する人も多く、名簿は活動のよりどころ。どういう支援をだれが必要としているかなど的確な把握が難しくなる」と訴える。

 市によると、これまでは市情報公開・個人情報保護審査会から答申を受け、平時でも本人の同意に関係なく名簿を共有していた。同市福祉部の山内健次長は「個人情報を知られたくない人もいる。名簿を管理する民生委員の負担も考え、再検討する必要がある」として、名簿共有のための条例制定には慎重な姿勢だ。

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