17日号砲の鳥取マラソン2024。調整が大詰めなのはランナーだけではない。会員が広がりを見せる視覚障害者伴走チーム「白うさぎB&G」(川口誠代表)は大会初参戦の70代ランナーを支えようと、練習に余念がない。
市民ランナーの川口代表(69)=倉吉市大谷=が2017年に立ち上げた同チーム。当初3人だった会員は74人に増え、年代も18~80代、鳥取をはじめ兵庫、島根、岡山県在住者へと幅の広がりを見せる。
川口代表によると、市民ランナーが年齢を重ねて「誰かのために走りたい」と思うようになった人が多い。東京パラリンピック女子マラソン(視覚障害T12)で金メダルを獲得した道下美里選手の活躍で関心が高まったことも大きい。
会員はレース中、ガイドロープで視覚障害者のランナーとつながり、安全に配慮した走りをサポートする。「相手の身になっての声かけ」を重視し、講習会や月2回の練習で技術を向上させてきた。
大会は、練習の成果を披露する場でもある。チームとしても初参加となる今年の鳥取マラソンでは、視覚障害者でシンガー・ソングライターの原田義雄さん(71)=岡山県真庭市=を、7人が交代して支える。初挑戦の原田さんは「心強い。1キロ8分のペースで完走したい」と抱負を述べた。
同チームは41キロ付近の沿道で独自にテントを張り、原田さんをはじめランナーに声援を送ることも計画する。フルマラソンで初めて伴走する泥方彩華さん(20)は「自分が走るのとは違う。原田さんの安全を確保し、精いっぱいサポートする」と話した。