落語家の口上

  •  柳亭小痴楽

 5月1日から始まった、弟弟子・柳亭明楽の東京の各寄席での真打ち昇進披露興行。新宿末広亭、浅草演芸ホールの興行を終え、折り返しに差しかかり、ただいま6月11日から始まる池袋演芸場までの小休憩に入った。新宿、浅草と明楽や私の師匠・柳亭楽輔が急きょ体調不良のため休演になり、私が名代、師匠代わりとして明楽さんの口上をつとめさせてもらった。

 やっぱりこの披露目という特別興行の目玉はなんといっても口上である。仲入りという休憩があり幕が下がる。そして仲入りが明けると「真打ち昇進披露口上を申し上げます」というアナウンスが入り、幕が上がる。高座には緋毛氈(ひもうせん)という赤色の毛氈が敷かれ、その上に皆、黒紋付きにはかま姿という形で、下手に司会である私、そして新真打ちの桂翔丸・春風亭吉好・柳亭明楽を真ん中に、その両脇には各新真打ちの師匠、桂幸丸師匠(翔丸の師匠)、春風亭柳好師匠(吉好の師匠)、そして上手には落語芸術協会を代表して会長である春風亭昇太師匠や副会長・春風亭柳橋師匠など大幹部が座り、板付で頭を下げている。この光景はいつ見ても圧巻であること間違いなし。

 そして、司会が新真打ちの頭を上げさせ名前...

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