大阪ニュース

日韓関係、北朝鮮問題考える 大阪で学術セミナー

2021年10月14日

 日韓関係や北朝鮮問題など朝鮮半島を取り巻く環境を考える学術セミナー「韓半島を巡る国際情勢の展望」が12日、大阪市中央区のホテルで開かれた。駐大阪韓国総領事の趙成烈(チョウソンリョル)氏が「北東アジアの安定に韓日課題解決と韓米日協力は極めて大きい。“必要な物は何か?”をぜひ教えて頂きたい」と訴えた。

朝鮮半島の諸問題について語り合う有識者=12日、大阪市中央区

 日韓関係について、慶応大名誉教授の小此木政夫氏は「民族的自己認識に基づくナショナリズムの衝突。歴史的尊厳の争いだから長引く」と講演。東京大教授の木宮正史氏は「安全保障の観点からも協力が必要」と提案し、神戸大教授の木村幹氏は「バイデン政権は日韓不仲の仲介には入らずそれぞれを便利に使うだけ」と分析した。大阪市立大教授の朴一(パクイル)氏は在日コリアンの立場から「歴史問題と経済協力、安全保障は切り離したほうがいい」と指摘した。

 米朝関係について、早稲田大教授の李鐘元(リージョンウォン)氏は「オバマ時代の6カ国協議は中国の影響力が大き過ぎた。トランプ時代の直接交渉は金正恩(キムジョンウン)総書記にとってハノイ会談失敗のトラウマが大きい。バイデンは中国対策に全力を集中したいから、このいずれでもなく米日韓協力で北朝鮮対策をやりたい」と語った。

 元国連大使で、大阪大教授の星野俊也氏は「国連ではアジア太平洋グループの一員として日韓の大使は意思疎通できている。ところが北朝鮮大使とはまるで接点がない、殻に閉じこもっている感じ」と説明。日本での北朝鮮研究の第一人者である南山大教授の平岩俊司氏は「北朝鮮に対し、日本では“あんな政治体制はすぐつぶれる、技術開発力は大した事ない、制裁圧力をかけ続ければ屈する”と考えている人は多いが、とんでもない間違い。しかも過度な中国依存には慎重で決して単純な国ではない」と指摘した。

 最後に、立命館大助教の崔正勲(チェジョンフン)氏が「北朝鮮の目的は核保有先進国の道筋を自分たちも歩むこと。彼らは決して座して死なないから偶発的戦争の危険性が常にある。その場合、日本は必ず攻撃されるから抑止力が必要」と現実的な危機を示した。在日3世の経営者(55)は「韓日両国の不仲に一番心を痛めているのはわれわれ。北朝鮮は同胞ではあるが大国の思惑が交錯し、南北直接交渉は難しく残念だ」と複雑な表情を浮かべた。


サイト内検索