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住民監査請求 大阪市に責任の上限ない

2022年5月26日

 元市議や大学の名誉教授ら5人の市民が、大阪市とIR事業者との間で結ぶ土地の定期借地権設定契約の差し止めなどを求めて住民監査請求を行っている。市民側代理人の荒木晋之介弁護士は事業者と府市が2月に締結した基本協定書について「土地所有者である大阪市の責任に上限がなく、市財政に悪影響を及ぼす」と話す。

市民側の代理人を務める荒木弁護士

 協定書第13条の2(土地課題対策の実施および当該対策費用の負担)で、大阪市は「当該土地課題対策の実施に実務上合理的な範囲内において最大限協力する義務を負う」と規定されており、最大限協力義務の内容として「土地課題対策に要する費用の負担について2022年2月及び3月開催の市会による債務負担行為の議決が行われることを条件として、市が合理的に判断する範囲で当該費用を負担すること」と定められた。

 この協定書の内容に対し、市民側は「基本協定書は、土地課題対策費が債務負担行為で定めた限度額を超えた場合の大阪市の免責には全く言及していない」と指摘。債務負担行為で定めた限度額を超えた場合、IR事業者は大阪市に対して追加の債務負担行為と支出を求めることができるとして、「責任の上限がない」と危惧する。

 基本協定書19条(本基本協定の解除)の4の(4)(開発)では、「設置運営事業の実現、運営、投資リターンに著しい悪影響を与える土地又はその土壌に関する事象(地盤沈下、液状化、土壌汚染、残土・汚泥処分等の地盤条件に係る事象を含むがこれらに限らない)が生じていないこと、又は生じるおそれがないこと、かつ、当該事象の存在が判明した場合には、本件土地の所有者は、当該事象による悪影響の発生の防止を確実とするよう設置運営事業者と協力し、一定の適切な措置を講じること」とされている。住民側は「地盤条件のすべてが大阪市の責任の対象となると言わざるを得ない」とし、「大阪市自信でさえ最終的な土地課題対策費の予測を立てることができていないと思われる」と懸念する。

 現時点で市が負担する予定の約790億円の土地課題対策費については、大阪市が30年間のIR事業者の将来の賃料収入(約890億円)を採算性の根拠としている点についても「30年間IR事業が継続することを前提としない限り成立しない極めて楽観的な見通し」と批判している。


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