澪標 ―みおつくし―

この地球の平和を本気で願うとどうなるのか

藤田ツキト
株式会社シカトキノコ クリエイティブディレクター
2020年4月20日

 突然ですが、みなさん引きこもっていますか? 私は引きこもっています。買い物と一部仕事の打ち合わせ以外は、ほぼ外出していません。まさか自分がコラムを書くタイミングの地球が、こんなことになっているなんて…。

 今から9年前、地球が本当に終わってしまうんじゃないかと感じたのは3・11東日本大震災でした。原発事故が起こったことで、どうやって復興すれば良いのか全くわからなくなってしまったと同時に、人間が地球のことを考えずに行動すると天罰が下るのかとさえ思いました。このコロナウイルスも地球の天罰だと仮定すると、どこで行動を間違ったのでしょう。

 当時、民主党政権時に東日本大震災、原発事故は起こりました。さまざまな判断に批判もあったとは思いますが、それよりあの時感じたことは、国の一大事に与党・野党は一致団結して解決に向かわず、足の引っ張り合いばかりするのか…ということです。民主党の肩を持つわけではないですが、政権を初めて取った党が、国を動かしていくのってめちゃくちゃ難しいんじゃないかと思うのです。ましてや未曽有の大災害。ノウハウもマニュアルもない中、一致団結してこそ、野党になってしまった自民党が評価されるのだと思いました。ところが逆に批判ばかりで、哀れとしか言いようがなかったですが、国民感情としてはそのうち前の安定した政権がいいなーってなるだろうなということも予測できました。そして今では、また野党(旧民主党)が揚げ足取りばかりしていて悲しさの極みです。

 浮かれモードなここ数年、まだ収束していない原発事故のニュースはほとんど見なくなりました。話題は2020年の東京オリンピック。もちろん開催されるからには楽しみにしていましたが、疑問や違和感はずっと続いたまま。例えば誘致の際、世界に向けてのスピーチで「福島第1原発は完全にブロックされている」という首相の言葉に、よくそんなうそを世界の前で平然とつけるなと思いましたが、あっさり東京に決まってしまったこと。同じく「世界一カネのかからないオリンピック」と銘打って7千億で開催の試算をしていたのが、結局は3兆円という話まで出ていたこと。どれだけうそを塗り重ねたら気が済むのか。経済も大切ですが、常に地球を無視した発想が気になります。

 オリンピック・パラリンピックは来年に延期となりましたが、期待していた「アスリート優先」「復興五輪」「低コスト開催」の言葉にふさわしい「地球に優しいオリンピック」は影を潜めました。目先の経済しか考えられない時代をここで終わらせないと、地球が本当に終わってしまうと感じます。人間はみんな失敗します。選挙で誰を選べばいいのか迷った時は、こう考えてはどうでしょう。「失敗や間違いを認め、どうやったら成功するかを考えられる人」か「成功を前提に失敗や間違いを封印し続ける人」か。正しい道へと突き進めるのはどちらなのでしょう。

 いま私たち一人一人にできることは小さいかもしれないですが、日本が世界をリードしていく気持ちで、いろんな仕組みを変えて、ゼロから始めるチャンスだと思います。可能性がゼロじゃなければ、政治批判や誰かのせいにするのではなく、無限に広がる未来をつくっていきましょう。地球の平和を本気で願い、みんなの行動が変われば世界はきっと変わります。

 気分が晴れないこの引きこもり期間中、ツイッターでたまたま目にした、あるアイドルのブログの言葉が一番胸に突き刺さりました。

 「人間を敵にするのは全然怖くないけど、地球を敵にしたら怖いと思う」

 (大阪市東成区、ふじた・つきと)



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