来阪catch

アオザイ衣装を美しく

ベトナム映画「サイゴン・クチュール」 
監督 グエン・ケイ
2020年1月25日

ポップで楽しいコメディー

「大阪はサイゴンと雰囲気が似ていて好き」と話すグエン・ケイ監督=大阪市内
「サイゴン・クチュール」のニン・ズーン・ラン・ゴック(右)とゴ・タイン・バン(C)STUDIO68

 ベトナムのコメディー映画「サイゴン・クチュール」(ムービー・アクト・プロジェクト配給)が京都のみなみ会館で上映中で、大阪・九条のシネ・ヌーヴォで25日から公開される。「ポップで楽しいSFコメディー。女性チームで作ったアオザイ衣装の美しさも見て」というグエン・ケイ監督に話を聞いた。

 アオザイはベトナムの民族衣装。「この映画でその古き良き伝統と美しさが若い世代に見直されるきっかけになった」。プロデューサーは記録的ヒットを飛ばした「ハイ・フォン」(2019年にネットフリックスで公開)でヒロインを演じたゴ・タイン・バンで、同作の脚本に参加したケイ監督がメガホンを取り、自国で大ヒットした。

 「バンさんは米映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』にも出た人で、プロデューサーでも活躍。彼女がアオザイ衣装の映画を作ろうと企画し、私に声がかかり、世界的ファッションデザイナーのトゥイ・グエンさんら女性チームを作って取り組んだ。主演のコメディエンヌ、ニン・ズーン・ラン・ゴックさんの魅力もあってポップで楽しい作品になった」

 1969年のサイゴン(現在のホーチミン市)が舞台で、アオザイ衣装店の娘のニュイ(ゴック)が、それは古いと店主でデザイナーの母親(バン)に反発し、新しい衣装を考案しようとするところから物語は始まる。「まだベトナム戦争の時代で、男は戦場、女は家。そこは割り切って女性たちの物語にした。69年はまた人間が初めて月に行った時代で、世界的に映画、音楽、そして政治も熱かった。私が好きな時代なので、あえてその時代を選んだ」

 やがて主人公のニュイはタイムスリップして2017年に入り、そこでは母が亡くなり、アオザイの店も傾いている。「何とかしなくては!」とニュイの大奮闘が始まる。美人のゴックが新しいファッションのアオザイを着て歌い、踊る。主題歌を歌う歌手のドン・ニーも顔を見せて競演する。店を再興するため開くアオザイ衣装のショーも見せ場の一つだ。

 ケイ監督はアメリカ、日本、イギリスで映画修業をした経緯がある。好きな映画はハリウッドの「ターミネーター」とミュージカル「ムーラン・ルージュ」、そしてロシアの名作「惑星ソラリス」を挙げる。「エンタメ+アートで映画を作りたい。日本では黒澤明、小津安二郎。アニメも大好き」とほほ笑む。続編「サイゴン−2」も準備中という売れっ子。まだ三十代半ばである。



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