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「私は漫画家志望だったんです」と話す大木萠監督=大阪・十三の第七藝術劇場 |
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イッセー尾形(左)と篠原ともえ?漫画誕生製作委員会 |
明治、大正、昭和の時代を生きた日本漫画家の祖といわれる北沢楽天とその時代を描いた「漫画誕生」(アースゲート配給)が1日から大阪・十三の第七藝術劇場で公開される。「イッセー尾形さんに漫画家の祖を人間臭く演じていただいた」という大木萠監督(33)に撮影裏話などを聞いた。
北沢楽天は日本人で初めて漫画家として成功し、初めての印税契約、初の定期連載、漫画家のプロダクション化など現在の漫画業界の礎を築いた人。後の手塚治虫、長谷川町子などに大きな影響を与えたと言われている。「私は漫画家志望だったのに楽天を知らなかった。さいたま市にある漫画会館の理事をやっておられる漫画家のあらい太朗さんにお会いした時、その名を初めて聞いて興味を持ったのが最初です」
北海道北見市出身。東京のジャーナリスト専門学校卒業後、テレビのバラエティー番組のADから出発し、井土紀州監督の助監督になりこの世界に。デビュー作は自主製作で撮った青春映画「花火思想」(2012年)。「たまたま主人公が表現者であったことで、今回の楽天につながった。漫画の歴史で『のらくろ』は知っていたが、楽天の風刺・風俗漫画は知らなかった。あらいさんから『その名をもっと多くの人に知ってもらいたい』と映画化の話が持ち上がり、やってみたいと思った」
主人公はすぐにイッセー尾形(67)に決まった。「全然つてがなく直接メールで出演をお願いしたら、マネージャーの方から『やります』という返事。日本の天皇を演じたロシア映画『太陽』や、マーチン・スコセッシ監督の米映画『沈黙サイレンス』が印象に新しく好きな俳優さんだったのでうれしかった。尾形さんは楽天にすごく興味を持って彼になりきって演じてくださった」と撮影を振り返る。
若い頃の楽天に橋爪遼、奥さんに篠原ともえ、福沢諭吉にモロ師岡、検閲官に稲荷卓央が扮(ふん)した。「楽天が晩年、戦争の国策で作られた『漫画奉公会』で会長を命じられ、内務省の検閲官に呼ばれ話を聞かれるところからドラマは始まる。すでに名を成してここまで来た楽天が、今までしてきた仕事と、妻との生活を振り返る。その苦悶(くもん)の表情の中に、彼が貫き通した意地も浮かぶ。漫画家後輩たちとの葛藤もある。その辺に哀愁を込めて人間臭く描きたかった」
「この映画で楽天を知っていただくと同時に、現代につながる時代を振り返ってもらえれば…」
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