トレンド特急便

さわって読む絵本展 NPO法人「てんやく絵本ふれあい文庫」

2019年10月30日

創設35周年記念、クレオ大阪中央で

読者から返却された本の確認作業に忙しいボランティアのメンバー
国内初のフルカラーの点字つき絵本「チョキチョキチョッキン」を手にする岩田代表

 大人も子どもも、見える子も見えない子も、みんな一緒に楽しめる絵本が勢ぞろい−。手作りの「てんやく絵本」の製作と貸し出しサービスを続けるNPO法人「てんやく絵本ふれあい文庫」(大阪市西区、岩田美津子代表)が29日から、大阪市天王寺区のクレオ大阪中央で「さわって読む絵本展」を開催している。同文庫創設35周年を記念した催しで、岩田代表は「さわって楽しむことができる絵本を実感してもらいたい」と来場を呼び掛けている。11月10日まで。入場無料。

■想像する手がかりに

 てんやく絵本は、市販の絵本の文字の部分に点字の透明シートを貼り付けたもので、絵はシートで輪郭を切り抜いて絵に沿って貼る。例えば「うさこちゃんとうみ」(福音館書店発行)の一場面を見ると「それから うさこちゃんは ふくをぬぎ すいえいぱんつを はきました」という文章の下に点字が貼られており、水泳パンツをはいたうさぎの絵に沿って透明シートが貼られ、目や口、水泳パンツの形や位置も分かる。

 登場人物の衣服の色や柄、姿勢なども、可能な限り点字で説明。目の見えない人が想像する手がかりとなるよう工夫されている。

 てんやく絵本を作るきっかけは、目の見えない岩田代表が「子どもに絵本を読んでやりたい」と思ったこと。1984年に「点訳絵本の会 岩田文庫」を自宅に創設し、てんやく絵本の製作と全国への貸し出しを始めた。

■必要な人がいる

 現在はNPO法人格を取得し、年間約5千冊を貸し出している。活動の意義を感じ、岩田代表の人柄に触れて集まったボランティアの熱心な活動が支えとなり、35年間継続してきた。岩田代表は「てんやく絵本を製作し、貸し出しているのはうちだけ。必要としている人がおり、その気持ちに応えたい」と意欲を示す。

 対象は視覚障害者(児)本人、または家族、視覚障害者の団体や施設。読者の希望や性別、年齢、季節に応じた絵本を選んで無料で貸し出しており、電話やファクスでも全国に無料で郵送している。

 てんやく絵本ふれあい文庫では、一冊一冊手作りのてんやく絵本を貸し出しているが、「見える人と同じように町の書店や図書館で自由に手に入れたい」という声に応えようと、96年に国内初のフルカラーの点字つき絵本「チョキチョキチョッキン」を出版した。多くの出版社や印刷会社に呼び掛け、2002年に「点字つき絵本の出版と普及を考える会」を発足。点字つき絵本の普及に努めている。

 「さわって読む絵本展」の開催時間は午前9時半〜午後9時半。問い合わせは電話06(6444)0133、ふれあい文庫。



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