トレンド特急便

化粧向け分野に挑む 工業用ブラシメーカー

オーエヌ関西ブラシ
2021年5月19日

プロ仕様、品質に自信「使い心地試して」

オーエヌ関西ブラシが手掛ける化粧用ブラシの新ブランド「ヴィヴォルチェ」シリーズ=大阪市西淀川区

 創業71年の老舗工業用ブラシメーカー、オーエヌ関西ブラシ(大阪市西淀川区)が化粧用のブラシを開発し、昨年から販売している。口がねには24金メッキを施すなど高級志向。大野順也社長は「工業用同様、プロ仕様にできている。見た目だけでなく使い心地も試してほしい」と呼び掛ける。

 同社は1950年、はけ、ブラシの卸業としてスタート。船の内外装に防さび塗装するはけや建築塗装用のブラシを製造、販売を手掛けてきた。安価で販売する量販店の進出など環境が変わる中でも、品質の高さから企業との取引を中心に経営を続けてきた。

■メードイン大阪

 化粧用ブラシ開発を考えたのは創業70周年を目前にした2019年。「法人向けだけでなく、一般消費者に向けた商品を」と社内にプロジェクトチームを発足。4人の女性社員をメインに据えて、開発をスタートさせた。

 これまで数多くのブラシやはけを生産してきた同社。しかし、化粧用の開発は容易ではなかった。大野社長は「たとえ同じヤギの毛を使うとしても、用途によって求められる感触は全く違う。勉強させてもらった」と振り返る。

 また国内産、さらに“メードイン大阪”にこだわった。工業用ブラシを生産していた際、見た目は同じでも自社製品と外国産では品質に差があることを身にしみて感じていた。「エンドユーザーにも違いが分かってもらえる」という信念が根底にあった。

 しかし、軸の部分は黒檀を使用しているため、生産数が少ないことから加工する会社の選定が難しかったという。口がねも真ちゅうに金メッキ加工しているが、業者が決まるまでは試行錯誤の日々だった。

■最高級の素材

 そして創業70周年の20年、ブランド名「ヴィヴォルチェ」として発売までこぎ着けた。名前の由来は日本語の「美容」とイタリア語で輝きを意味する「ルーチェ」を組み合わせた造語。「輝く美しさを提供したい」という思いを込めた。

 商品は全6種類。パウダーブラシやチークブラシにはヤギののどの毛を使用。そのほかのブラシにも用途に合わせて、イタチなど最高級の素材が使われてる。開発までに社員らにモニタリングし、軸の手触りなど使い心地を確認しながら開発した。

 価格は6本セットで5万円(税抜き)。大野社長は「決して安い値段ではないが、美容のプロの方にも使ってもらえる品にした。触ってもらえば分かるはず」。現在はPRを兼ねて市内の美容室などにサンプルを設置しているという。

 工業用と美容用、同じブラシでもまったく違う業種への挑戦は「まだまだ手探り状態」(大野社長)。それでも大阪発祥のブラシで世界の美容業界を塗り替える意気込みだ。



サイト内検索