2021年11月27日

公共施設活用し「サバゲー」 松江市が活性化実験

 利用者の少ない公共施設をサバイバルゲーム(サバゲー)のフィールドとして活用するユニークな社会実験が28日、松江市で始まる。サバゲーに行政が関わるのは全国的にも珍しく、施設の有効活用と周辺の温泉や商業施設などへの波及効果でにぎわいづくりを模索する。

 社会実験の場所は、宍道湖南岸の山間部にある宍道総合公園古墳の森(同市宍道町白石)。約1ヘクタールの芝生広場がメインフィールドで、市街地を模した遮蔽(しゃへい)物を合板で設ける。周囲の雑木林約2ヘクタールもフィールドとし、計約3ヘクタールは西日本最大級の広さという。

■スピード決裁

 地元の「瑞風とまちづくりの会」が市から2024年3月末まで無償で借り、客数や周辺施設への人の流れなどを調べて観光事業としての可能性を探る。

 同会で中心となって準備を進めてきたのは、大山町安原で屋内サバゲーフィールドを運営し、イベントを開いてきた川上隆幸さん(35)=松江市東津田町。施設の有効活用を考える地元のアイデアコンテストで、サバゲーが持ち上がったことを聞き付けて企画化。「山陰でサバゲーをはやらせたい。地域の活性化にも生かせる」と同会にサバゲー部を立ち上げ、市宍道支所地域振興課に持ち込んだ。

 企画は、提案から半年で実施にこぎ着ける異例のスピード決裁。背景には女性愛好者の増加や関連産業の活況などブームにあやかりたい行政の思惑がある。

 同課によると、古墳の森はデーキャンプやバーベキューなどを楽しめるが、近くにログハウスやオートキャンプサイトなどを備えた大規模施設があり、過去5年間の利用者は数十人。昨年はわずか2人だった。小島一文課長は「この状況を何とかしたかった。市場も成長分野」と期待する。

■県外客呼び込む

 勝算はある。古墳の森は山陰道や出雲空港へのアクセスに恵まれ、周辺には玉造温泉や日帰り温泉、アウトドア施設が豊富。川上さんは「県外客を呼び込める素材がそろっている。野戦と市街地戦の両方を備えたフィールドは他にはない」と強調する。

 他フィールドは服装や装備にこだわるベテランが多く、新規で始める人には敷居が高い。社会実験では道具をレンタルし、当たっても痛くないスポンジの弾を使った親子向けイベントなども計画。川上さんは「気軽に楽しめる外遊びの場所にしたい」と意気込む。(高﨏正範)

ミニクリップ

 サバイバルゲーム 敵味方に分かれてエアガンで撃ち合うゲーム。日本が発祥ともいわれる。敵全員を倒したり、攻守に分かれて制限時間内に守備側から旗を奪ったり、ゲーム様式はさまざま。サバゲーを扱った漫画やアニメ、ゲームなどの影響もありファンは多い。愛好者は33万人ともいわれ、娯楽産業としても注目されている。山陰には7カ所のフィールドがあり、300人程度が楽しんでいるという。