多彩な「蒔絵」179点並ぶ MIHO MUSEUMで特別展

 日本の伝統工芸「蒔絵(まきえ)」の世界に光を当てる夏季特別展「蒔絵百花繚乱(りょうらん)-江戸時代の名工とその系譜」が滋賀県甲賀市の「MIHO MUSEUM」で開かれている。技術を競いあった蒔絵師が活躍した当時の多彩な179点の名品が来場者を魅了している。8月20日まで。

 作品は5章に分けて展示。第1章「蒔絵師の系譜-山本春正(しゅんしょう)を例に」では、江戸時代の前期から明治時代まで蒔絵師として活躍した山本春正の系譜を例に、その歴代の作品が並ぶ。幕府や大名に召し抱えられた蒔絵師は第2章で紹介。第3章「蒔絵百花繚乱-京都・江戸における流行」では蒔絵師の増加によって競争が生まれ、技術面が大きく底上げされた側面があったことを伝えている。

 担当の桑原康郎学芸員は「50人以上の蒔絵師が登場する。流行の最先端を感じていただける展示になっている」と話し、熊倉功夫館長は「蒔絵は日本の文化の象徴的存在で、世界で愛好されている日本を代表する工芸品。ゆっくりご覧いただきたい」と来場を呼びかけた。

 午前10時~午後5時(入館は同4時まで)。月曜休館。一般1300円、高大生千円、中学生以下無料。問い合わせは電話0748(82)3411。

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