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がん対策基本法成立 


山本孝史参院議員に聞く

  がん対策について国や自治体の責務を明記するなど、施策の一層の拡充を目指す「がん対策基本法」が十六日、参院本会議で可決、成立した。がんによる死亡が年間三十万人を超える中、患者を取り巻く環境はどのように変わるのか。先月下旬の参院本会議でがん患者であることを告白し、抗がん剤治療を続けながら同法成立を訴えてきた山本孝史参院議員(56)=大阪選挙区=に聞いた。


患者意見、政策に反映


2006/06/17
「がん対策基本法により、政策決定に患者の意見が反映できるようになる」と話す山本孝史参院議員=16日午後、東京・参院議員会館
 −がん対策基本法の意義をどう考えますか。

 「がんは日本人の死因の第一位だが、必ずしも治療体制が整っているわけではない。がん対策基本法では、がん対策推進基本計画を作る協議会に医療や行政側だけでなく、患者が参画する。患者の意見を反映し、政策が決定させられる仕組みになっている点に大変意義がある」

 「併せてがん以外の疾患についても情報提供や医療体制の整備だとか、医療全体のレベルを上げていくきっかけにもなると期待している。そういう法律にしないといけないと思っている」

 −がん患者を取り巻く状況の問題点は。

 「患者は治療法や病院の選択など集めるべき情報がたくさんある。適切な情報を手に入れることができる体制がまず必要。最新の治療方法や治療薬などの情報提供もほしい。何といっても医師の数が少ないので、放射線治療や抗がん剤の使い方を習熟している医師の養成が必要だと思う」

 −病気を告白することは、政治家にとってはリスクが大きかったのでは。あえて本会議で告白した理由は。

 「人生の巡り合わせと思っている。健康保険法の改正案が審議されることになり、そこに小泉(純一郎)首相が出席し、しかも日本の医療が崩壊の危機に瀕している。日本の医療水準の貧しさが、がん医療に象徴的に現れていることもあり、いろんなラインがクロスする中で、がん患者である自分が質問することになった。プライベートな話なので戸惑いもあったが、日本の医療の向上を考えたとき、自らの体験を踏まえながら議場にいる皆さんに話した方が理解してもらえると判断した。発言が政治生命にかかわわるという話は、ぼくにはまったく関係がない」

 −がんを告知されたときの心境は。

 「来るものが来たなという思いだった。身内にもがん患者がいるので。これだけがんにかかる人が多い時代だから、自分ががんにかかっても不思議じゃないと思っていたので、そうか、来たかという感じ。わりと冷静だった」

 −どのようにがんと向き合っているのですか。

 「一応、完治することを目標にしているが、非常に直りにくい病気でもある。いかにがんと付き合っていくか。自分の仕事や生活のレベルを落とさずに、治療しつつがんが大きくなるのを止めるというのが一番重要。そこは治療法を医師とよく相談しながら、うまく付き合っていく道を探している。国会活動を続けるためには大阪に帰るのは無理なので、東京で治療している」

 −改選期を迎える来年夏の参院選への対応は。

 「来年の話は神のみぞ知るなので分からない。今、予定候補者として公認を申請している。七月の終わりから八月ぐらいには党の決定が出る」

 −公認された場合、選挙で何を訴えるのか。

 「がんにかかったかどうかは別にして、衆院議員時代からずっと暮らしの安心を訴えてきた。あえて言えば、誰もが最良の医療を受けられるような医療体制を整えたい」



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