北山たけし20周年で新曲 北島事務所から独立初 哀愁演歌「さすらいの街」

 2000年代にNHK紅白歌合戦5年連続出場の演歌歌手、北山たけし(49)が師匠で義父の北島三郎(86)の事務所から今春独立しての第1弾「さすらいの街」を出した。デビュー20周年の節目での新たな一歩へ「男なら誰でも覚えがある忘れられない女性を想(おも)う哀愁演歌。僕らしさが出せた」と手応えを感じている。

 5月に読売テレビ系「踊る!さんま御殿‼」(火曜夜8時)に初めてゲスト出演、北島と事務所がある八王子市から都内中心部までJR在来線で電車移動した経験談を披露。散々、明石家さんまにイジられ、観客は大爆笑。北山は「北島事務所にいた時は、師匠の方針でテレビバラエティーへの出演や地方でのストアライブはハードルが高かった。今はタレントが僕だけの個人事務所でマネジャーら計4人を食べさせていく責任がある。仕事なら何でもどこでも行きます」と笑顔で決意を語った。

 師匠が作詞作曲の前作「博多ぶるーす」に続きしっとり曲調。今回は弦哲也作曲、伊藤美和作詞のヒットメーカー同士が組んだ。「20周年でワッとスケールの大きい曲も考えたんです。でも今の僕にはこうしたムード歌謡が合うと感じています」と説明。弦らしい出だしの3連符に「カラオケではここが一番難しいかも。ラストは演歌らしいフレーズで歌いやすいと思います」とファン向け解説。

 付け人時代を含め30年近い北島音楽事務所での暮らしを振り返り「アッという間でした」と前置き、「最後に残った弟子4人にそれぞれのれん分けして頂いた。僕が頑張ることで、師匠には“たけしも独りで舟漕(こ)いでるじゃねぇか”と安心して頂く事が唯一出来る恩返し」とシミジミ。

 新曲のミュージックビデオは茨城県で撮影。歌詞通りの北国イメージで雪がチラつく街角を歩いた。「天気はよかったんですが風が強くてヘアスタイルぐちゃぐちゃ。雪はデジタルで降らせて映像にかぶせられるんです、技術ってすごいね」と感心。

 TOKYO・MXテレビのドラマでナレーターを経験。それを映画化した「劇場版人生いろいろ」で、今度は主題歌だけでなく俳優として出演も果たした。「間もなく50歳。元気な師匠や兄弟子を見ていると、僕はまだまだ何でも挑戦です。新たな機会を頂けるのは有り難いので、まだ10周年ぐらいの気持ちで頑張ります」と元気いっぱい。

 この写真を撮っていると演歌ファンが「えっ!? 北山さんやんなぁ」と目ざとく見つけ、握手と記念撮影を求められた。丁寧に笑顔で応じ新曲のPRも怠りないフレッシュ気分だ。

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