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大阪再生の処方箋  −キーマンに聞く−


  大阪生まれ、大阪育ち。独学で建築を学び、世界の「ANDO」としてヨーロッパ、アメリカ、中国とグローバルに活躍する建築家の安藤忠雄氏。阪神・淡路大震災復興支援十年委員会委員長を務め、大阪市の川沿いに市民の募金で桜を植える「桜の会・平成の通り抜け」を進めるなど、関西再生に尽力する安藤氏を超多忙スケジュールの中、訪ねた。 



安藤忠雄建築研究所
東京大名誉教授
安藤 忠雄氏



大阪は大きな地方都市

独立独歩の精神忘れるな

2005/09/20

「国の在り方、自治体改革、社会問題と幅広いテーマで直言する松下代表幹事
   −大阪の現状をどのように感じていますか。

 「大阪は経済都市、日本第二の都市と言われていたが、今は違う。それをまず理解しないといけない。一極集中が問題だというが、国とはそういうもので、経済を動かしている中枢は東京。大阪は『対東京』ではなく、大きな地方都市として考えるべきで、大阪独自の路線を開かなければならない。わたしは大阪生まれ、大阪育ちだが、東京の仕事が五あるとすると大阪は一。米、欧、中国の仕事も多く、大阪は非常に不便。人材も集めにくい」

 −不便な大阪にいる理由は。

 「学歴がなく、建築の専門教育を受けたことのない人間を、面白いやつだから育ててやろうと、勇気を持って仕事をくれた人たちが大阪にいた。大阪に恩がある。大阪で頑張り抜きたい」

 −大阪の一番の問題は。

 「大阪は商人の町として自分たちのことは自分たちで、官に頼まずやってきた。それが今では、公的なことは何でも役所任せ。官に頼らない独立独歩の精神を忘れていることが問題」

 −市民の手で「桜の通り抜け」をつくろうと呼び掛けられています。

 「一人が一万円募金をして、一本の桜の木に三十万円の募金を集め、プレートに参加者の名前を書く。淀川から天保山まで十五キロ、市民の手によって桜の通り抜けをつくろうという企画。自分たちの街を自分たちの手で美しくする。新しい形の街づくりを市民の力でやったというプライドが持てる。スタートから一年足らずで三万五千人が集まった。大阪人の中に『自分たちのことは自分たちでする』というDNAが残っていたと、少しほっとしている。あと一年ぐらいで五万人までいきたい。大阪城や中之島公会堂は民の力できた。大阪への愛情とエネルギーのある人がたくさん出てきてほしい」

 −阪神淡路大震災でも植樹による復興支援に取り組まれました。

 「人と人とが何かでつながっていくことが大切。街に木を植え、育てることで、心のコミュニケーションができる。何より次の時代を担う子どもたちに参加してほしい。個性と公の意識を持って、考えて行動する人を作らなければならない」


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