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アルツハイマー根本治療薬を開発したい

一般社団法人認知症対策推進研究会代表理事・杉本八郎さん
2018年2月14日
アルツハイマー病の根本治療薬の研究開発に励む杉本さん(右)

 「超高齢社会となったわが国において、認知症は最も大きな課題の一つ」と2016年6月に一般社団法人認知症対策推進研究会(東京)を立ち上げ代表理事に就任した。

 製薬会社エーザイに研究者として勤め、定年退職後は京都大大学院薬学研究科の寄付講座「創薬神経科学」の教授に就任。現在は同志社大大学院脳科学研究科・神経疾患研究センターの客員教授を務めている。エーザイ在職中に、新薬開発の確率は0・2%と言われる中で、世界で初めてアルツハイマー病治療薬「アリセプト」の研究開発に成功した。

 03年当時、米国では500万人のアルツハイマー病患者がおり、国民病と言われていた。アリセプトは米国で爆発的に売れ、ビジネスとしては大成功。現在は世界95カ国以上で大きな売り上げを誇る新薬となった。

 「確かにアリセプトの開発の成功はファーマドリームが実現した瞬間でした」と笑顔を見せるが、アリセプトは対症療法で症状を遅らすことはできてもアルツハイマー病を根本から治すことはできない。

 日本の認知症患者は462万人で、予備軍は約400万人。数年後には予備軍も含めて1千万人近くの人が認知症になる可能性があり、21世紀は認知症の時代に突入する。

 杉本さんは「子どもの頃の夢は作家」という異色の研究者だが「多くの賛同者・協働者を募り、認知症の予防、早期発見、対策に貢献したい。アルツハイマーの根本的な治療薬を開発したい」と意気込んでいる。